パニック
さて、次はギルドに行きますか。
バゲラさんにカードのギルド登録をした受付のシェルムレさんにユニークスキルを持っている事を伝えるんだったかな。
あれ、なんかこの流れ、知っているような。
あ!!
これって、ゲームの主人公の能力がお偉いさんに知られる流れじゃね!?
そして国の一番偉い人、王様に謁見して魔王とか龍王とかを倒しに行く旅の始まり。
まさに王道のパターン。
でも俺は知っている。
ゲームの中では主人公の能力は禁忌の技で世界の敵になってゲーム内のキャラから命を狙われるという鬱展開がある事を。
そして俺はそういう流れが大好きです。
そして俺が来たこの世界はディボロ様がゲームのような世界に行きたいと願った俺の夢のような世界。
ディボロ様が俺の好きなゲームのような設定があれば俺のスキル【スキルトレジャー】は禁忌の技。
ならこの流れはそういう鬱展開になる可能性は高くなるんじゃないだろうか。
ちょっと、いやかなりヤバイのではないだろうか。
創作物としては大好物です。
味方無しの最強物、現実の鬱憤を晴らすのにとても丁度良かった。
俺は嵌りに嵌って同じようなゲームを片っ端からやった。
でもそれが現実になったら・・・小さな子供を可愛がれなくなる!!!
どうしよう、そんな事になったら俺は死んだも同然だ。
なんとか回避しなくては。
でもこれは確定じゃないしな。
そう、禁忌の技って決まった訳じゃない。
探りを入れて駄目そうなら隠そう。
じゃあ、ギルドに入って薬草をホレルドさんに渡してさりげなくユニークスキルの事を聞こう。
その前に、景気付けにな、魔力残量は81もあるしスキル習得10連続をやるか。
「【スキルトレジャー】」
《【パニック】を習得しました。》
《【ファンシー】を習得しました。》
《【ヘイト】を習得しました。》
《【クレイジー】を習得しました。》
《【アンラッキー】を習得しました。》
《【ペイン】を習得しました。》
《【フール】を習得しました。》
《【スウィンドラー】を習得しました。》
《【リトライ】を習得しました。》
《【チャレンジ】を習得しました。》
もう駄目だ!!
【アンラッキー】って出たよ。
もうこれ不幸のスキルって事だよな。
終わった、レニちゃん、孤児院のみんな、その他まだ見ぬ子供達よ、俺は世界の敵になる前に君達を可愛がりたかったよ。
異世界に来てまで世界の敵になるとかありえない。
・・・もしかして俺、この世界の魔王枠ですか?
黒崎 清
【パニック】レベル1
【ファンシー】レベル1
【ヘイト】レベル1
【クレイジー】レベル1
【アンラッキー】レベル1
【ペイン】レベル1
【フール】レベル1
【スウィンドラー】レベル1
【リトライ】レベル1
【チャレンジ】レベル1




