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愚者は賢者と成り得るか?  作者: 泥人形
始まりの街
20/44

カード

「おい、これはなんだ?」


「なんだと聞かれても分かりません。

何か異変でもあったんですか?」


「お前、ふざけてんのか?

これはなんだと聞いてるんだ。

なんでカードに載ってないスキルを持っているんだ。

しかもクラス無しでよ。」


俺は今、バゲラさんから取り調べを受けている。

強面のバゲラさんが凄みながら聞いてくる。

下手な刑事よりも迫力がある。

容疑はスキルオーブを取ったかどうかをあのカードを作ったオーブで調べようとしたら違う所に異変があったようだ。

それはスキルだった。


「秘密です。」


「秘密って・・・ふむ、お前、このスキルはどうやって覚えたんだ?」


誤魔化せないか。


「あれです。

スキルとカードの関係性が分からないので説明のしようがありません。」


「はぁ、お前、ここでカードを作ったよな」


「はい。」


「その後にギルドで登録をしたよな。」


「はい。」


「スキルってのはその時にカードに付け加えられる。

だからその時に持っていたスキルしか載らねぇんだよ。」


「そうなんですね。」


「だからカードに載ってないスキルってのはその後に覚えた筈だ。

だが、それはありえねぇ。

クラス無しでは一部を除いてスキルを覚えられないからな。

だからどうやってこのスキルを覚えたのか言え。」


「一部ってなんですか?」


「あ?

スキルオーブ、ユニークスキルぐらいだな。

お前、ユニークスキルも知らなさそうだから先に言っておくぞ。

ユニークスキルはある条件を満たせば覚えられるスキルだ。

まだ色々と謎があるからはっきりとした事は分からないがな。

・・・お前の覚えてる見た事の無いスキルはそれで説明がつくな。

それはユニークか?」


「そうかもしれませんね。」


「・・・ふむ、そうかユニークか。

ならあいつにも伝えといた方が良いか。

お前、今日はもうギルドに行け。

そしてお前が登録した受付の場所でユニークスキルを覚えています、って言って来い。

そうしないと後々お前が面倒な目にあうからな。」


「採取をしては駄目ですか?」


「はぁ、お前って奴は。

採取に満足したらギルドに行けよ。」


「はい。」


俺は部屋から出た。

あれ、あの状況でスキルの習得を出来るんじゃね。


「【スキルトレジャー】」


《【クエスチョン】を習得しました。》


黒崎 清


【クエスチョン】レベル1

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