カード
「おい、これはなんだ?」
「なんだと聞かれても分かりません。
何か異変でもあったんですか?」
「お前、ふざけてんのか?
これはなんだと聞いてるんだ。
なんでカードに載ってないスキルを持っているんだ。
しかもクラス無しでよ。」
俺は今、バゲラさんから取り調べを受けている。
強面のバゲラさんが凄みながら聞いてくる。
下手な刑事よりも迫力がある。
容疑はスキルオーブを取ったかどうかをあのカードを作ったオーブで調べようとしたら違う所に異変があったようだ。
それはスキルだった。
「秘密です。」
「秘密って・・・ふむ、お前、このスキルはどうやって覚えたんだ?」
誤魔化せないか。
「あれです。
スキルとカードの関係性が分からないので説明のしようがありません。」
「はぁ、お前、ここでカードを作ったよな」
「はい。」
「その後にギルドで登録をしたよな。」
「はい。」
「スキルってのはその時にカードに付け加えられる。
だからその時に持っていたスキルしか載らねぇんだよ。」
「そうなんですね。」
「だからカードに載ってないスキルってのはその後に覚えた筈だ。
だが、それはありえねぇ。
クラス無しでは一部を除いてスキルを覚えられないからな。
だからどうやってこのスキルを覚えたのか言え。」
「一部ってなんですか?」
「あ?
スキルオーブ、ユニークスキルぐらいだな。
お前、ユニークスキルも知らなさそうだから先に言っておくぞ。
ユニークスキルはある条件を満たせば覚えられるスキルだ。
まだ色々と謎があるからはっきりとした事は分からないがな。
・・・お前の覚えてる見た事の無いスキルはそれで説明がつくな。
それはユニークか?」
「そうかもしれませんね。」
「・・・ふむ、そうかユニークか。
ならあいつにも伝えといた方が良いか。
お前、今日はもうギルドに行け。
そしてお前が登録した受付の場所でユニークスキルを覚えています、って言って来い。
そうしないと後々お前が面倒な目にあうからな。」
「採取をしては駄目ですか?」
「はぁ、お前って奴は。
採取に満足したらギルドに行けよ。」
「はい。」
俺は部屋から出た。
あれ、あの状況でスキルの習得を出来るんじゃね。
「【スキルトレジャー】」
《【クエスチョン】を習得しました。》
黒崎 清
【クエスチョン】レベル1




