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神隠しの行き着く先は異世界  作者: ヌッシー
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召喚開始

自分で思ってたより話が中々進まないです。全体の話が流れるように少し急ぎ足で行こうかとがんばりたいです。

 王の許可が下りてからのストナの行動は早かった。

というよりも最初から許可が下りる事を見越して動いていたようだ。

儀式を行なう召喚の広間にストナが現れるとそこで準備を行っていた者の一人がストナの前に進み出る。


 「ストナ様準備が完了しました。月が替わり次第いつでも儀式を始められます。」


 報告を受けたストナが鷹揚に頷き報告を促す。


 「ソジン、再召喚まではどの程度の間が必要だ?」


 ソジンと呼ばれた初老の魔法使いが年を感じさせないしっかりとした声で答える。


 「空間が安定するまでには少なくとも5、6日は必要です。こればかりはいかに準備を早めようとも我々にはどうしようもありません。5度の召喚が限界でしょう。」


 それを聞いて思考を巡らしたストナが更に問う。


 「以前召喚を行なったとき割って入った者がいたな?それは何とかなりそうか?」


 ソジンはその問いに一瞬口ごもるが意を決して答える。


 「・・・申し訳御座いません。残念ですが私たちの手には負えませんでした。世界と世界の間で手を出す相手に調べる事もままなりません。ですが、過去の記録を調べる限り全てに手を出せるわけでもないようです。今回は5度の機会が御座います。望みの者も必ず手に入る筈です。」


 「・・・やはり解らないか。期待はしていなかったからそれは構わない。だが今回も恐らく絡んでくるだろうな。そこからまた情報を集めるとしよう。よし、行ってよいぞ。後2日で月が替わる。それまで皆を休ませておくがいい。」


 「かしこまりました。力及ばずお恥ずかしい限りです。お気遣いありがとう御座います。」


 ソジンが頭を下げるとストナも踵を返して広間を後にした。




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 その後今日までに3度の召喚が行われた。

当初懸念されたような問題は起きず呼び出された人間は非常に協力的にこちらの話を聞いてくれた。

突然呼び出されたことに一様に驚いていたがこちらがに害意が無いとわかるとすぐに落ち着きを取り戻すほど話が早い。

 本来であれば見知らぬ場所に誘拐されたような物だ。

戸惑いや怒りや不安が先立ってまともな交渉は出来ないのが普通である。

もちろんそうならないよう召喚時に術式を植え付けていたのだが、これもきっちり機能したようだ。


 洗脳とは違いこちらの言いなりには出来ない。

そもそも完全に人を操ることは非常に難しい上にどれだけ優秀な者も自らの意思を失くしては只の人と変わらない能力しか発揮しない。

 それではわざわざ呼び出す意味も無くなってしまう。

あくまでも自らの意思で協力してもらうことが重要なのだ。

回りくどい方法ではあるが下手に出ている限りはこちらのためにがんばってくれる。

 召喚術で植え付けたのはそのきっかけを作り疑いを持たせないためだ。

それだけで人のいいものならこちらの頼みを引き受けてくれる。

そして引き受けた事で好待遇を受ければその後に投げ出すことは考えられなくなる。


 嬉しいことに3度の召喚で現れたのは総勢7名で全員が戦いを専門としているものばかりだった。

しかも正義感の強い人間が多かった。

正義感の強い物ほど一度正しいと思ったことに疑いもなく信じるものだ。

考えていた人物像の中で最も扱いやすい部類の人間だろう。


 当然ストナもこの結果に満足していた。

それは都合のいい相手が来た事や精心誘導の植え付けに成功したと言う事だけではない。

ストナが密かに組み込んだ術式も植え付けられている事を意味していたからだ。

いずれ使う事になる一度だけの使い捨ての術式。

使うまでは影響は一切ない。

だからこそだれにも気付れない。

自らの執務室で今後の計画を頭の中で反芻しながら後2回行われる召喚にも期待を寄せる。

今のところ召喚に妨害は無い。


 「後が不調でも今回の7人は期待以上の逸材ぞろいだ。計画に問題は無いだろうな。」


そうつぶやくがこのまま全て上手く行くと考えるのは少々楽観的過ぎるか?油断は出来ないと思い直しストナは表情を引き締める。


 と、そこに執務室の扉をノックする音が聞こえてくる。


 「入りなさい。」


 そう答えるとソジンが扉を開け中に入ってくる。


 「ストナ様、召喚者七人の顔合わせが済みました。同じ状況に置かれている者同士ですので問題なく打ち解けているようです。こちらの事や事情など詳しく聞いておきたいとのことですので、ご足労いただければと伺ったしだいです。」


 「そうか。もちろん参りましょう。大切な我らの勇者様ですからね。今後も彼らの要望は最優先で取り扱いなさい。」


 「ありがとう御座います。皆は応接間にてお待ち頂いております。それと・・・」


 「まだ何かあるのか?」


 「はい。クラッド王への謁見はいかがなされますか?既に報告はしていますが、顔見世はまだかと大臣達からせっつかれております。」


 「そうですか、どうせ宰相あたりがこちらの粗でも探そうとしてるんだろう。謁見については、この後の召喚の儀が全て終わってからを予定している。まだまだやることは山積みなのだから適当に理由をつけてあしらっておきなさい。」


 「承知致しました。後の事はこちらで対応いたします。」


 「よろしく頼みますよ。では行きましょう。あまりお待たせして機嫌を損ねても面倒です。」


 そういうとソジンを引き連れて執務室を後にした。





 この日から3日後に4度目の召喚が行われることになる。

考えていた登場人物を出し切る前に一旦話を前に進めるのも有りかなと思い始めてきました。初期設定は後で回想しようかな?

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