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神隠しの行き着く先は異世界  作者: ヌッシー
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少し短いですがフライングで投稿します

 扉が開かれまず先にパッドが現れる。

パッドが開かれた扉の脇に控えると白いローブを身に纏った男が現れる。

一見すると学者風の生真面目そうな風貌だががっしりとした体格は相当鍛えこまれているように見える。

その男は部屋の入り口で止まると二人に視線を交互に向けてくる。

まるで品定めでもするような視線に不快感を否めない。

紅丸の方を二、三度見た後はその視線が険しくなり千雨にジッと注がれる。

しばらく千雨を見た後ローブの男はパッドに近づき何事か耳打ちする。

すると驚いた顔でパッドは千雨を見やるとローブの男に反論の声を上げる。


 「そんな!?いやっしかし!」


 「私は指示を出しました。騎士団長あなたが口に出すべき言葉は何ですか?」


 「・・・・承知致しました。準備して参ります。」


 苦い顔をしたパッドが退出すると入れ替わりで先ほどまで見張りをしていた騎士がローブの男の後ろに控える。


「異界からの客人、お待たせして申し訳ない。私は今回の責任者を務めておりますストナ=ジェルスと申します。この城では魔法職と神職の総合責任者をしております。」


 慇懃な名乗りの後優雅に一礼するストナ。


 「千雨です。」「紅丸だ。」


 それに対して二人は簡潔に名を名乗る。


 「チサメさんとベニマルさんですね。クラッド王国へようこそ。疑問は多々あるかと思いますがまず我々があなた方をお呼びした理由です。早い話が戦力の増強ですね。召還に際しましては条件を設定できましてその条件にあった人がこちらに呼び出されます。今回はあなた方という事です。」


 「条件とは?」


 「先ほども言った通り我々は戦力を求めています。戦える者もしくはその才能のある者に限定しております。実力や実績しだいで待遇は保障しますよ。」


 「わしらがそれに従う義理は無いと思うがの?」


 「普通そうでしょうね。ですから召還された時点でこちらの言葉を記憶に移すついでに我々に協力的になるように刷り込んでいるはずなのですが・・・。」


 紅丸が千雨に視線を送ると千雨は首を振って答える。


 「特にこれといって変化は無いの。むしろそんな真似をされてるなど面白い話ではないわ。」


 「おっと、これは失言でした。所で一つ聞きたいのですが、こちらに召還されるまでに誰かに会いませんでしたか?」


 「ああ、会ったぞ。らみねると名乗っていたが知っておるのか?」


 「我々の召還術に時折干渉してくる者がいるのは知っています。こちらの事は何か話しましたか?」


 「大した事は聞いていないわしらの様な者を呼んでいるから行ってきてくれと頼まれただけだ。後の事はわしらの好きにして良いと言ってな。」


 ストナはため息を一つ付くと首を左右に振る。


「またか・・・。そういう事なら納得しました。稀に非協力的な方がいらっしゃいましてね。そういう場合は大概召還に干渉されているんですよ。召還事態を邪魔されることは無いのですが我々の施した刷り込みだけは解除してしまうんです。」


 「そいつはお生憎様だな。わしらからすれば大助かりだがの。」


 「やはり協力する気はないと思って構いませんか?」


 「わしは無いがの。主がやるならわしはそれに従うさな。どうする?」


 紅丸に話を振られて今まであまり口を挟まず話を聞いていた千雨が答える。


 「私達にも色々あってここにいる。それで助かったとも言えなくも無いが私達を助けたのはあくまでラミネルだ。さっきから聞いていればとても人に物を頼む態度とは思えない。まして妖しげな術で意思を操ろうなどと聞いては尚更だ!その話はお断りさせていただく。」


 「・・・そうですか。残念です。では話はこれで終わりですね。丁度こちらの準備も整いましたしこれからのお話に移りましょうか。」


 ストナがそう言うと扉を開けてパッドが騎士と黒のローブをきた魔法使いが部屋の中に入ってくる。

剣呑な雰囲気を感じ千雨は即座に身構え、紅丸もそれを庇う様に前に出る。


 「出来れば無駄なことをせず、大人しく死んでください。魔物ごときでも従うなら使ってやろうと思ったのですがその気が無いのなら生かす理由もありません。」


 その言葉と同時にパッド率いる騎士達は剣を抜き二人をぐるりと取り囲んだ。


 「ストナ様、念のため確認ですが二人いえ・・・こちらの女性も殺すのですか?」


 「当然です。あなたには先程伝えたでしょう?あの女性も魔物です。正確には半分ほど人間のようですが同じ事です。このまま城に置いておく訳にも行きませんし、外に出すわけにもいきません。あなたは余計な事は考えず職務を果たせば良いのです。」


 パッドが了解の意を示して二人を見やると渋面のオーガとその後ろで呆けたような顔をした女性がいた。

いつか見られるその日迄がんばりたいです。

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