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「誤魔化せると思うなよ? ここじゃあ正直者に福来るんだ」
「じッ、焦れったいんだよ!! 調印しろって言ってんだろ!?」
「おーけーおーけー焦んな黙れ。戦えば本当のことが分かるんだ」そう言いながら、祐樹が祐樹の目の前の触押板をノックするように触れたように見える。
「見せつけてやる」
やっときた。ホッとなる。軽く息も出た。根拠のない安心も感じられている。そうだ。X素手が適用されていれば超能力が手に入ったも同然である。なにかあったらそれを使えばいい。使えなくなる時は、X素手が適用されるのを拒絶した時だ。理由をこじつけて引き伸ばせば適用は続く。
ビクッとなった。
目の前に見慣れたプレイリストの半透明の触押板が現れただけだというのに。
ため息を吐いた。もういいだろと自分に思いながら。
ともかく、試し聴きでもしようと、今のお気に入りの曲を思い浮かべることにした。そう思うと頭の中で曲が流れてくる。プレイリストの一覧が超速でバーッと動き出すや否や青色で示された一つの名前が、流れている曲の曲名とアーティスト名だった。いや、これじゃないな、と反射的に感じる。違う曲が流れてくる。これいいな、と思うと同時にプレイリストの一覧もバーッと動き出す。ん〜〜……それよりもあの曲の方なのかなーとかなんとか思っているとまた曲が変わった。バーッと忙しなく動くプレイリストの一覧。そして半透明だからふと、向こう側にいる祐樹が見える。両手を両耳に当てて上体ごと縦に振っている。




