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改めての宣戦布告。乱闘型ではなく、決闘型でのX素手、それへの変更を祐樹へ要求する。
イクストリーム素手喧嘩。礼で始まり礼で終わる喧嘩。
自分なりの構え方を相手とやり合うのが一礼の代わりだ。その礼が終わると、プレイリストからお気に入りの曲を選曲する。プレイリストは、産声を上げてから今までに聴いたことのある曲がもれなく一覧となっている触押板。今この時に一番気に入る曲を選ぶのだが、その時に試し聴きもできる。実際にイヤホンをしているかのように、頭の中で曲が鳴り止まない。しかしわざと選曲せずにいるようなことをすると突然自動的に選ばれる。選んだ曲によって戦闘能力が増減する。戦闘中でも、聴きたい曲を思い出すことで曲を変更することができる。音量やサラウンドなど、聴き心地がいいように調整もできるが、これによってでも戦闘能力が少しは変わる。その調整は、視界の隅でいくつも現れっぱなしでいる半透明の触押板でやるのだが、それはまるで巨大ロボットのコクピットにある計器のような細かさだ。それでも速やかに調整しなくてはやられてしまう。攻撃は、魔力を必要としない魔法攻撃をやるような遠中近距離の攻撃がくる。ただし超能力のように自分にしか出せない攻撃しかできないが、一撃痛恨もあるから油断ができない。
なにより肝心なのは己の気持ちの正直さと、腹の底からの思いの強さ。それが勝敗を決める鍵であり、相手を軽く見るような油断をしたものなら、負けるどころか生命を落とす。
正式な喧嘩であるなら主にトーナメント戦で、最強豪には賞金として、現在の景気では使えない貨幣を、現在の景気では使える貨幣へ全額、交換してくれる。インフレ時ならば月貨幣を照貨幣へ、デフレ時ならば照貨幣を月貨幣へ、その時点の大富豪の取締役代表が直々に手渡ししてくれる。ランクも決まる。が、個人間では個人間で決めた賭けに従う。
今回は、どちらがクズかが、勝敗で決まる。ランクだって上下する。
この喧嘩に乗ってきた時にはこの、現れっぱなしのダイアログが消え失せる。
それまで僕は祐樹へ念じてやる。もう違うんだよと。
思い知れよと。
ルニと友達がなければ人間のクズなんかじゃあ、ないってことを。




