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「何言ってやがる! こいつは奈袴ってクズから、クズって見られるほどのクズ野郎だっつってんだよ!!」
「ハッ! それって裏付けにしちゃー大したことないんじゃない? 不良が真面目君見て『クソが』ってムカついてんのと変わんないしー、自分で自分をクズって言ってるもんじゃない? 百合奈だってそう思うでしょ?」
「……いや、私は祐樹をクズとは思わないよ」
真向がガッと目を見開いてハ、となった。目の前で起きたことが信じられないと言わんばかりだ。
どうして? と藤谷が薄笑いをしながら鼻で笑うと、汚いものを嫌悪するように目を細めながら祐樹を見て口を開ける。
「本当にクズなら自分がクズだと気づいても、開き直ってクズをやるもの。祐樹はクズどころかまだ幼いだけだと私は思うの」
祐樹がバカッと言わんばかりに大口を開けて、まさに自分の目を疑っている。
なんだこれは、と僕は思う。
なのにふといいことも思いついた。
それが笑わせてくる。笑えてくる。
それとほぼ同時に目の前に現れた、半透明の触押板は絶対に空気を読んでくれた。




