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……げんなりしてくる。いや、そんなような気持ちになっただけである。藤谷がぶっ壊れてしまった。
どうすればいいんだろう。
が、当の藤谷は今やっと落ち着いてきたらしく、ヒーヒーと苦しそうにお腹を押さえている。祐樹は息を切らしているようにゆっくりと立ち上がった。
そして唸るように言う。「藤谷さんもっ……」と。「藤谷さんもちょっといい加減にしろよっ……!」とも。
「にしてもあんた藤谷相手に勝算あんの?」
と言ってやると祐樹がゔっとなった顔をしてきた。情けない顔である。なんだか哀れに見えてきた。
というか「そもそも祐樹が仕出かすのがいけないんだろ?」
「てめぇがそれを言ってんじゃねえッ!!」
僕もうっとなってしまった。あまりに想像以上の凄みだったのだ。祐樹がそこまでしてくるなんて。
「三年間おちょくられた分なんだよッ、真向に! その中にお前の分も入ってんだからな? 分かってんのか?」
「……いや、ちょっと分からない」
「はあ!?」
「だってほとんど祐樹の自爆だったろーが」
「ふざけんな!! お前だってやたら俺を踏みまくってただろうが!! そのことだよッ!!」
「そのことかよ!?」
そしてガッと寒気がしてきたとともに、ドッと冷や汗が出てきたかのような錯覚を感じた。
やばい。バレてたのかー僕もちょっとカチンときたからこっそり藤谷と真向に混じって祐樹の股間を踏んじゃったんだけどー。
しかし……そのことだ。祐樹は絶対にそのことを言っている。うわー。
「ずいぶん踏みつけてくれたよな?」と凄む祐樹が、再びこんなにも恐く見えるとは思わなかった。
当然の反応だとも思っている。踏みつけた場所が社会の窓だからだ。当然です。




