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心臓も破裂したかと思ったほど激しい鈍痛が胸でした。
数メートル先で爆発が起きたことは確かだ。花火の炸裂音とは違う。巨大な風船が爆発したかのようだった。体ごと後ろへぶっ飛ばされるほどの爆風ではない。一陣の風を浴びせられたくらいで済んだ。そういえば触押板が消えているのは猛風で木っ端微塵にでもなったからなのか。
というかあの説明文の中にはこんなすごい風がくるなんて書かれてなかったぞ!
耳鳴りが両耳で始まっている。
隣から骨をぶつけたような鈍い音が聞こえてきた気がした。
数メートル先では白い氷の床に立つ左奥の祐樹と右手前の真向が向かい合っている。
その足元には畳まれた服が置いてある。
あれ? と僕は思った。ルールに沿って考えてみればお互い服が破裂せずに済んでいるから引き分けということなのだろうが、服が畳まれて置いてあるのはなんでだよ。なんで
ってかそれより! と僕は藤谷へ振り向くと藤谷がいない。バチッとなったようにまさかと思った。振り返る。いない。視界の斜め下には誰かがいる気配。顔を下ろしてみると、藤谷が尻餅をつきながら真向と祐樹の方を見ていた。
「ッざけんな!」と祐樹の怒鳴り声がした直後だった。ブンといった風に半透明のダイアログが目の前に現れている。真向の宣戦布告の通知がきた時と同じみたいだが、書かれている内容が全然違う。祐樹が真向へ宣戦布告し、X素手喧嘩を希望したという内容。
それは僕もよく知っている喧嘩。
知り過ぎているくらい付き合いの長い喧嘩。




