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「また!?」と藤谷が「またなの!? またな――ぇえええ!?」
「違っ! これは違うって!」
そう必死に落ちてくる真向がそのまま続けて叫んでくる。「かわせないって! かわしたらそれこそだよ、天井破っちゃったら!」
僕は真向のそれにハ、となったと同時に、祐樹の名を叫ぶのをやめていた。
そのすぐ後に、真向が祐樹型の穴から距離を置いたところに着地する。
祐樹型の穴を眺めながらそうした真向だが、呆然としている。ピタリと硬直している。
なによりもだ。祐樹が這い出てくる気配もない。
サー、と血の気が引くような感覚。
……ある意味こっちの方がまだ取り返しがつけるのかもしれない。
ドーム球場の天井を突き破って場外に消えたホームランボールを求めて探すよりも、観客席上段へと迫るホームランボールを打ち返した方が、誰か一人でもそのボールの存在に気づいてくれる。――そんなことをふと思ったのだが、色々と間違っている気がした。
しかしまたドガバギと柱という柱に激突しながら落下してゆくのも……。
ついに真向が、恐る恐る、祐樹型の穴に近づき始めた。
恐る恐る、近くに至ってもなにも起きない。
真向が今度は、そー……と穴を覗きにゆく。
「あ、いる」
「ぇえ!?」
いるのかよ。
「マッコォォォォォォォォスッ!!」
と祐樹の絶叫がこもって聞こえてきたと同時に、まるで放射された炎に呑まれたかのようになった。真向の顔が青白銀の間欠泉に呑まれている。




