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そんなとこまで願っちゃいない。そんなところまで願っちゃいない! 願ったところだけが元通りのはずだ。真向も藤谷も願っていないに決まっている。助けたいのだから。
死なせたくないのだから。
仮に真向に殺す気まであるなら祐樹を肘鉄でぶっ飛ばしたところでもう、祐樹を殺せている。
それがルニ・オーソナーだ。
だからおかしいんだ。おかしいとしか、思えない。
どうしておかしいことが続くんだ。空間移動の感覚に突然襲われて悪夢のようだった時間もそうだ。真向が透明な壁をぶち破ってきた時もそうだ。櫻は別だと祐樹が怒鳴った時もそうだ。桶の音が鳴った時も、祐樹がゴワッとなってバキッと落下した時も。
もしかしたら、真向が祐樹を肘鉄でぶっ飛ばした時も、実はおかしかったのかもしれない。
なんで!
そう思ったと同時だった。祐樹の唸り声が、小さくこもっていながらも荒々しく聞こえた。
ビクッとなる。一瞬、視界が分からなくなったほど。
そして祐樹が痛がるのをやめた。
両手をゆっくり顔から離すと、上目遣いで眼前を睨んでくる。その憤激の形相が殺しにくる勢いだ。そして今度は祐樹が大きく仰け反ったかと思えば、ハンマーで叩き割ったかのような破砕音がけたたましく鳴る。
もう、頭が真っ白だ。
頭突きで、それだけで破れるなんて思いもしなかった。
しかし祐樹はそれをよそに急接近してくる。轟と、自らが間欠泉と化したかのように。
「マッコォォォォォォォォスッ!!」とインフェルノしながら。
やはり、真向めがけてやってくる。直線的な弾丸。




