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「マズいよね……」と真向が、弱々しいくらい不安そうに言った。「このままじゃ……」とも呟く。僕もそう思った。もうバキバキなのだ。これではこれ以上前に進めない。
しかも下は南極の海のように、強烈に冷たい水ではない。
なにもない。天山だ。
天山層建山脈なのだ。
一千メートル以上なにもない。地図だときっと大通りくらいしか表示されないほどの高さだと思う。しかも間欠泉のせいで突き破りながら落下しているのかもしれない。体もひしゃげているのかもしれない。冗談ではない。きっと死の秒読みだ。祐樹が。
僕はもう一度真向と藤谷を見る。二人とも不安を堪えるように、真向は眉根を寄せ、藤谷は眉尻を下げながら目を合わせてきた。
頷いてくれた。
僕は前を見る。大丈夫だと確認もできた。ここはルニなのだ。大丈夫。魔法使いの空間だ。
だからここを、元のスケートリンクへ。
どうか元のスケートリンクへっ。
そうやって念じ、念じ続ける。なんどでも。




