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どうしちゃったんだよ。
そう思うだけで精いっぱいだった。
不気味な鳥肌も襲いかかってくる。なんてことだよ。
ルニ・オーソナーなんだぞ。
魔法使いの空間なんだぞここはっ。
ちょっとムカついて殴っただけでも、戦う気のない人なら簡単に殺せるんだぞ!?
X素手って知ってんだろ祐樹!
そう思いながら祐樹へ顔を下ろしたのだが、祐樹の足元からもいつの間にか、細かいヒビがビキビキ重く、侵食するように広がってゆく。盛り上がる箇所も出てきているくらい酷い。
ビキビキ嫌な音とともにこっちの足元にも迫ってきた。
「ひっ」と声に出たように吸った真向のそれにハッと危機を感じた。真向の方を向いたのだが、危機感から険しく眉根を寄せる真向が、藤谷を庇うようにそこにいる。その立ち位置がまるで姉妹に見えた。真向が藤谷を妹のようにかわいく、好きに思っているのは知っていたが、その気持ちがここまで本当であるのを初めて目の当たりにした。そしてそれに頷ける。頼もしい。
根拠のない安心感を抱いたので、祐樹の方へ顔を戻すのをすんなりできた。が、まだ青白銀の間欠泉をぶっ放している。その地響きな重低音にも耳が慣れてきている。
だからピキッと一際はっきりと聞こえた音が、祐樹の方からしたものだと分かった。
どういうことなのかは分からない。
また聞こえてきたのは同じ音である。
分からない。
しかも祐樹がス、と下に消えていった。
……そこだけ底が抜けたかのように。
間欠泉でブーストしながら!
「――うわあああああああああああああああああああ!」と祐樹へ叫んでいた。
真向とも、藤谷とも、みんなで叫んでいた。




