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「ちょっと! 僕だって最初から男でしょーが!」

「いやぁ~ちょっとだけだよ」

「なんでだよ!」

「どーしてもウチには男に見えんのよねぇ……」と真向(まこ)藤谷(ふじたに)の方を向いて、どうやら振っているらしい。

 へ? といった感じに藤谷が驚いた。すると今度は、眉尻を下げながら笑っている。

「まぁ……言われてみれば、童顔だもんね。今なんか顔立ち綺麗になってるし」

「ほら! かわいいからなんだよ!」

「なにがほらだ。自信たっぷり僕のせいにすんな」そして反射的に身構えてしまう。危ねぇ。

 真向が。

 今こそ完全に、男として見られていない。抱きついてくるんじゃないかと身の危険。時たま当たり前のように抱きついてくるのだ。

 藤谷だけであってほしい。抱きつかれる担当は。

 と、藤谷の方はあせあせと目で真向、僕と交互に見ながら、口を開けた。

「けど、ゆ、祐樹(ゆうき)だって、悪くないんじゃない?」

 しかし真向は呆れたように肩を落としながら、口をへの字にした。

「そんでもったいないんだよねぇ~。バカでしょーもないし」

「は!?」と遠くから祐樹の怒鳴り声が「なんだとゴラ!」

「上等だ油賀(あぶらが)ァア!!」

「っせんだよこっちだってババア言うぞ!!」

「アバルァアアアッ!!」それはガーッと口からボルケーノしながら舌巻いて(おぼ)れているかのような声だった。

 迫力が違いすぎる。こっちも引っ叩かれたかのようだった。

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