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と思いきや、「それもそうだけど外にいるの祐樹だけじゃない?」と後ろの真向が、いきなり冷静に言った。
しかもそれと同時にシャッとターンしたような氷の音。
「それもそうだね」と藤谷が言った時もシャッと氷の音がした。
あれ、と振り返ってみると、横向きの真向と藤谷が向かい合っているのが遠ざかっている。僕も反射的に止まった。
逆に「あれ?」と言った祐樹の声が遠ざかっていく。
「これってどうなるの?」と僕は真向と藤谷の近くへ滑り出した。
「初めてだね」と藤谷が言って、「後は祐樹次第でしょ」と真向が半笑いで言った時に僕は、二人の近くに着いていた。
真向がこっちへ振り向いたのだが、目線が祐樹の方へ向いているようだから僕も振り返って見てみると、祐樹がこっちを見ながら滑っている。それは当然だとしても、とても寂しそうな目をしているようだ。
……でも、仕方がない。
祐樹が真向にセクハラをしたのがいけない。遡れば、ある意味仕方がないと思うのだ。真向は四人で空間創造したルニを体験するのが、今回で二回目だ。藤谷も久々の感じが残っているとのことで、お互いわくわくしていた。そんな中で間創したルニへ入空間移動した途端、真向の私服のフレアスカートがふんわりめくれ上がった記憶が、再現化されてしまった上に二次元化までされたのだ。真向より向こうは入道雲と海原とが交わる水平線。それで、本京への旅行で、心霊スポットである九十度の断崖絶壁を見にいった時のものだと思い出した。
当然、祐樹は後に真向と藤谷から足蹴を連発されました。
その前に僕も疑われかけたのも、当然のことであった。しかし四人でルニを間創する前に、祐樹が冷や汗をかきながら「出ませんように出ませんように」と呪文さながら、呟いていたそのおかげで、あっさり疑惑が晴れてくれた。それがなかったら、僕が足蹴される担当になっていたやも知れん。危なかった。
当然である。僕も見えた時、少しだ。少しだけ、嬉しかったのだ。うん。ガチで助かった。祐樹が単純なおかげである。どうもありがとう。君のことはどうも忘れられない。




