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「ちょーこえぇえぇえ!!」
「まさか今も!」と藤谷が愕然としたように、しかしスス、と鼻で吹き出して、「今も目がス……合ってふかもふふふふ」
「ふそ! なんとか真向の方向こうとしてるとこなのに!? 祐樹と目が合ってんの!?」
「俺はこっちにいるんですけどぅー!」
「ぎゃあぁあ!」と思わず叫んでしまった。ちくしょう。こんなの、白目のせいだ。白目の! 「こっちにいるとか言っちゃって、惑わして遊んでんだ! こっちってどこだっての!」
「お前の隣にいるだろうがよ!」
「キャアァアァアァアァアァアァア!!」突然だった。
真向が腹の底から絶叫している。
「って今度はなに!? 本格的にやってんじゃねぇよ!」と祐樹が言っているが、叫びたいのはこっちの方だ。
真向が未だに、しかも絶叫しながらも追いかけてくるのだ。普通は立場が逆のはず。
なにこれ恐過ぎ!
「ギャアァアァアァアァアァアァア!!」
思わず前を向いて、声に出てしまったのも思わずだった。
というか藤谷も真似して絶叫しているのが聞こえてきている。
真向の真似じゃないよう。
「お前らうるせえ! お前らあ! ックソちくしょお寄ってたかってバカにしやがってっクソ!!」
その祐樹の声が、さっきよりも真面目に悲しそうに聞こえたから、絶叫するのをやめてやる。
そして真向の絶叫も、藤谷の真似も聞こえてこないことに今、気づいた。




