来訪者
げんなりするくらいの遅筆ですが、よかったら読んでやってくださいましm(_ _)m
「あなたは何人目ですか?」
寝ぼけ眼を擦りながらドアを開けた途端に目の前の女がそう言った。
「ぁ…んー新手の勧誘か何かかい?悪いがそう言うのはお断りだ…」
普段から余り感情をださないようしてるのでやんわりと断り、俺はドアを閉めようとすると
「山下徹さん。アナタは何人目ですか?」
と再び、女が問う。
「どこで調べたか知らないけど、初対面の人にフルネームであまり呼ばれたくないんだが…」
何も言わずにさっさと閉めてしまえば良かったのに、ついつい会話を続けてしまう。
「昭和52年10月1日H県A市生まれO型、父雄三、母幸恵、三人家族の山下徹さん。アナタは何人目ですか?」
こちらの言ってる事が理解出来ないのだろうか…
「いい加減にしてくれないかな。」
こちらの反応を見るでも無く無表情に言う女にさすがに苛立ちを覚える。「だいたい、いきなり何人目と聞かれても意味が分からないだろう…俺は君とは初対面のはずだ。」
妙な自信がより語尾を強くする。
「よって1人目だね。」
勢いにのって、相手に合わせた語風で言い直してみる。
むろん、初対面という意味で
「そうですか。ではアナタが1人目という証拠を見せてもらえますか?」
はぁ…
こういうやつには何を言っても駄目なんだろうなぁ…
呆れと苛立ちが湧き上がる中、何とか言葉を紡ぎ出す。
「あなたとは初対面。よって一人目…んー言ってる意味解りませんか?」
問いただすような俺の言葉に考え込む女
なんとも気まずい沈黙
「じゃっ」
バタンッ
俺は沈黙に耐えきれず、ドアを閉めた。
始めからこうすれば良かった事に今更、気づきながら、ふと時計に目をやると…
8時18分
やれやれ…1ヶ月前ならパンでもかじりながら、遅刻だ〜と飛び出ているところかな。そんな過去の自分に呆れながらも
こんな時間に起きたのも1ヶ月ぶり…仕事を辞めても、生活リズムはきちんとしないとなぁっと一人ごち、俺は再び、布団に潜り込むのだった。