<第四話>
「お前、坂城にきにいられたんじゃねぇの?」
僕の横にいた奥山が言った。ニタついた顔に腹が立つ。
僕は不思議な少年の席に向かって歩いた。少年はまだ僕に笑い掛けている。
「びっくりした? 昨日の公園の時点で気づいてくれると思ったんだけどなあ」
笑いを崩さずに語る少年。いたずらっ子みたいに幼い笑顔だ。
「なんで君がこの学校に?」
「言ったじゃないか。やる事があるから、ここにいる。そして、そのやる事の内容を君に知ってもらうためだよ。」
真面目な声と、明るい顔で言った少年。
「ちなみに、サカキ サイトが僕の記号。漢字で書くと、」
サカキ サイトは机から取り出したルーズリーフに坂城 西都、と流れるように書いた。
「こうだよ」
「坂城 西都くん、か。記号って?」
「記号だよ。ここで僕を表す記号。」
何か機械的な感じだ。
「僕は、」
「わかってるよ。浅野 真くん、だよね? これも、」
「太陽の力?」
馴れてしまった。
坂城 西都の会話には。西都は目を大きく開いて笑顔のまま僕の返事を受け取った。
「そう、太陽の力。なんだ、わかってるじゃないか。」
なんたって君のような不思議少年と話しているんだ。それくらいもうわかるさ。 僕は心の中で、そう喋った。
雲が空を覆いだした。
影になって、僕の体には太陽の余韻が残る。
西都には僕が今喋ったことを読めないみたいだった。
チャイムが鳴る。影の教室に湿っぽく響いた。




