<第三話>
朝。僕は太陽によって起こされる。
二階の僕の部屋は日当たりがよくて、窓ガラスに陽がビームのようにきつく照りつけている。
枕に沈んでいる頭の部分以外の髪がだんだんと熱を帯びてきた。
僕はビームのような陽を手で防御しながら起きあがる。 僕のいつもの1日の始まりだ。
僕は朝食
を食べて、歯を磨き顔を洗う。洗面台の鏡は膨れた眠そうな僕の顔を映している。
制服に着替えた僕は時計を見る。
ヤバいと思う。かなり遅刻していた。陽射しが強いわけがわかった。
友達からよくぼんやりしていると言われるけど、ここまで寝坊したりしたことはなかった。
僕は生活面ではきちんとしているほうだ。
親は共働きだから朝早くに家を出てしまう。
だから僕は1人で起き、1人で朝食を作って食べる。結構自立してると思う。
僕は家の扉をダイナマイトで爆破させたような勢いで開け、そしてカバンを振りながら走る。
早く駅に行き、HRが終わった時間帯の学校に着かなくてはと思った。
そして、力強く地面を蹴る。それを繰り返す。
食べた直後に激しい運動をしたので脇腹が痛くなった。
脇腹を押さえながら駅に到着。 人の行き交うのを縫うようにして改札を通る
学校方面に行く電車に乗った僕は走りながら、脇腹を押さえながら走ってきた道にあった公園を思い出していた。
昨日あの不思議な少年と再会した場所。
あそこの伸びきっていた雑草が綺麗に除草されていたことに気がついた。
学校に着いた。
着いたと言っても学校の敷地内の校門辺りにいるだけでまだ学校に入っていない。
僕はまた走った。脇腹はなんとなく落ち着いていた。
教室は結構騒がしかった。
教室内の時計を見ると一時間目が終わって休み時間になっているようだった。
「珍しいな。浅野が遅れるなんて。ほら、今日お前が日直な」
そう声を掛けてきたのは同じクラスの奥山 正だった。
「寝坊したんだよ。起きたらもうHRが終わってる時間だった。」
カバンを机のフックにかけながら言った。
奥山は学校では言葉を交わすだけの仲だ。こんなのは友達とは言えない。
「そうか。寝坊は誰にでもあるもんな。てか、転校生来たの知ってるか。」
「ああ、知ってるよ。不思議な力を使える金髪の男の子だろ」
と言おうと思ったけどやめた。
「へえ。珍しいね。どんな人。」
僕は素知らぬ顔で言った。奥山が教室の奥の席に顎をしゃくる。
「あいつだよ。」
顎の先には本を読んでいる、昨日再会した不思議な少年がいた。
少年は本から顔を上げて、僕の視線を自分の視線と絡める。目が合って少年は微笑んだ。




