77.閑話:皇女様からチートを貰って俺TUEEEしに魔国へ行ったらボッコボコにされたんだが
俺様は強田勝太、イカしたナイスな最強の高校生だ!
学校にも、市内にも俺様に喧嘩で勝てる奴はいねえ!
俺にゾッコンなカワイ子ちゃんだっていつも熱い目線を送って来てやがるぜ!
つっても1人は幼馴染の長名菜智美だからシマラねぇけどなあ!
ある日俺達は謎の光に包まれて、なんか東京じゃねえけど東京って言う夢の国みたいな城に呼び出されちまった!
チクショー!今日は他の高校のカワイ子ちゃんとデートの約束してたのによお!
しかも何故か菜智美達まで一緒?シマラねえなあ!
だが目の前にいるのは、ボインボインで激マブなお姫様!!
ジンガイのチャンネーだぜ!!
うお!ドキドキしちまう!キャストの誰かか?俺、夢の国デビューか?
だがなんか様子がヘンだ。
デカい城ん中にゃお土産お売り場もなきゃゴンドラ乗り場もねえ、デッカイ豪華な部屋でエラソーなジジイがふんぞり返ってるだけか?
「よくぞ参られた異世界の勇者たちよ!!」
ジジイが何か言い出し始めやがった!
え?ここは俺達の日本や地球と違う?異世界?
くっだらねえ!俺はリア充なんだよ!チー牛が見てるオタクアニメなんざと一緒にすんな!
「あなたたちは魔王を討伐し、勇者となって我が国の誉となるのです!」
オイオイ、ジンガイのチャンネー!
ちょっと激マブだからって俺に命令すんじゃねえよ!
「やってくれますよね?」
できらぁー!!
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この国は異世界にあるっつうテラニエ帝国。
あの激マブちゃんはアラウネちゃん、皇女様だ!いつか俺の女にしてやる!
で、この世界は魔王軍に攻撃されてて、俺の無敵の魔法が頼りだとかなんとか。
よっしゃ!いっちょ暴れてやっか!
「あなたには途中で倒れて貰っては困ります。
特別に無限ヒールの魔法を授けましょう」
おお!やっぱ俺に気があるんじゃね?アラウネちゃん!
城での暮らしは豪華だった。
だった、はいいんだが、トイレ、なんだありゃ最低だ!
キャンプの方がよっぽどマシってもんだぜ!
そんでも城の女達は俺の言う事聞いたぜ!俺様に相応しい待遇だ。
気のせいか段々人数減ってったけどな!
魔法も何か鎧を被った人形を10コ位ぶっ飛ばしてスカッとしたぜ!
よっしゃ一丁魔王とやらを退治に行くか!
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話しが違ぇーだろ!何だよあのバケモノ軍団はよー!
キリなんとか言う海の向こう側の連中が簡単に倒したって言うから突っ込んで見たら、ムチャクチャヤベー軍団じゃねーかよ!!
てかキャンプサイテーじゃねーか!トイレねーし!
兎に角俺は俺に相応しい戦いを求めて、あんな場所は捨てた。
途中幾つかの村に入ったが、何かみんな逃げて行きやがる。俺は勇者だぞ?
生きの行軍で酒と女を差し出せって言ったくらいで何逃げてんだオラ!
途中、役に立たねえお飾りの帝国軍が追い付いてきやがった。
「勇者殿、我らは勝利しました。勇者殿の作戦勝ちです!」
「預言者モノホーリー様は勇者殿を祝福なさったのです!」
ホラみろ!俺は勇者だ!最強なんだ!
そっから先は行き以上に歓迎されチヤホヤされたぜ!
なんたって俺様は勝ったんだからな!
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何だ何だあの殺気はー!!
ヤベー!!超ガチでヤベー!
俺を殺しに来てやがるー!
あんな何だかワカンネー奴相手にしてられっかー!
俺は戦いの準備するんだー!
全く激マブ皇女サマもしばらく見かけねーウチによお!
あんなヤベーやつ来んじゃねーよ!
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という訳で俺は今、宿敵魔王の国にいる。
ヘボい帝国のブタみたいな貴族が
「魔王軍で不平を持っている奴をそそのかして、我が帝国が大陸を征服する尖兵とするのです!」
とか言ってやがったし、俺様の実力があればそれ位アッという間だろうがよ!
しかしハラ減ったな。
途中の村で飯と酒と女を出せって命令しようにも、どこもかしこもカラっぽじゃねえか!
力が出ねえ…
「おや?なんか来たキキ!」
は?何か猿みたいな魔物が来やがった!
「ニンゲンガキタ!キキ!」
「キーヲーツーケーロー!」
ケっ!チッコい猿の化け物が出てきやがった!
何か後ろでホヒホヒ音がしやがるし!
コイツらごとき俺様の殲滅魔法で!
「喰らえスーパーデリシャスゴールデ…んぶぶぶっく!!!」
「何だこいつはぁ!!
魔王が人族と勝手に結びやがったケイヤクっての知らねえのか?
それとも知ってて俺達にケンカ売りに来たってのかあ?!」
ウルセェこの下っ端魔族が!俺には皇女様のご加護てぇのがあって不死身なんだぶるえぼろぼんぼこ!
「テメぇみたいなクソガキゃあのバケモノにくらべりゃなんでもねえんだよ!
フックだジャブだ倍にして返すぜ!」
あばられぶるばらばら!
「キックだパンチだ今だチャンスだ真空片手ナントカ!」
おぼろぶわれろれろれろ!
「ハアハア…こいつ、超弱えーけど、何でひき肉になっても戻るんだ?」
あげぶきょきょろじー。
「よっしゃあ!毎日コイツを殲滅魔術の練習台にしてやろうやねえかー!!」
やめひぇ~~~~!!
「バラれるチギれるミンチになれー!!!」
あぎぇひぇ~!!!
「ホーリーアイトユーキアロー!!!」
ぶっぱびじゃあ~!!
「エンジェルセイナルビンボーム!!!」
えらやっちゃあ~!!!
******
「きたねえ顔してるだろ?生きてるんだぜ」
「とりあえずあの魔王んトコ持ってきましょうぜ」
はっ!!
今まで俺は何してたんだ?!
そうだよ俺はこの異世界の、異世界王に俺はなる!!
「アチョプ!」
ゴベレッ!!
「何だこの汚い生き物は?」
何だとテメェ!
「はっ!魔王様が信じて和平を結んだヒト族が、早速約束を破って侵入して来ました」
和平だと?そんなもん俺ゃ知らねえ!キリエリアのせいだよ俺ゃ知っちょるぶれあ!!
「どうせ人間界であぶれたならず者であろう」
「いいえ。これこそヒト族の本性。
和平を結んですぐに約束を破る、いえ約束など存在しない穢れた汚い生き物。
先程魔王様が仰った通りの汚い存在です」
汚ぇだあ?
このクソヤロウの方が…
なんだ?魔王って激マブじゃねえか!
「先に人間のキリエリア王国より連絡があった。
最悪の愚か者が魔王国領に侵入するので、よしなに、とな」
「やはり!ヒト族など信頼すべきでなかったではないですか!!」
「いや。この外道の侵入をきっちり報告してきた。
そしてお前が半年間ひき肉にして楽しむであろうことも予測して来たのだ。
信頼すべきか否かで言えば、お前は半年何をしてきたのだ?」
「取るに足りぬ醜い肉塊を相手に、魔力の修練に励んでおっただけだ!」
「それこそ魔族が人間の信頼を失いかねない愚行と何故気付かぬ!!」
「はあ?こんな糞野郎…」
「馬鹿者!もし善良な人間が迷い込んで、それに危害を加えていたら、我らが約を違えた悪となると、何故気付かぬ!」
「そこまでヒト族を恐れるか!」
「お前を国境警備に配した意味を悟らぬとは。流石四天王にあって最弱よのう」
「腑抜けになられたか?!」
「お前の前任の四天王が人間の勇者と戦った時間を知らぬのか?」
「そんな細かい揚げ足取りなど…」
「1秒も無く消え失せたのだ!」
「はい?」
「奴は1秒持たず焼け失せた」
「なんて?」
「お前ごときが、あの英雄リックを前に姿を見る事ができようか?」
「なるほどわからん」
リックだぁ?
「おいおい!そこの激マブ魔王さまよお!」
あぁ?何人を見下したみてぇにしてんだよぉ?
「俺様は勇者だ。
俺様に退治されたくなきゃ俺のカノジョにならねええおぶぎょっ!」
何だ?何か、潰された!!
「見ろ。キリエリア王国から報告された通り、人間の中でも糞の部類だ。
お前は、その糞人間を使って私を貶めるつもりであろうか?」
うわ!なんだこの殺気はよお!
早く逃げねえと!俺の最強のアラームが鳴ってやがるぜ!
「こんな糞もいる。あの、優れた少年もいる。人間も、ピンキリって奴だな」
優れた少年だと?
ああ、あの王国のハナタレ小僧か、あんな煮炊きしかできねえ下働きなんざ…。
(ぶちっ!)
あ、なんかヤベェ気が越えてぼんぶろじょぼおおおおー!!!
「この、糞人間が!
我が友を愚弄するなぞ決して許されぬ!
熱気が冷気に変わるまでこの腐肉を磨り潰し続け、生き物を許さぬ冷気になり次第早々に我が領から打ち捨てい!
我が魔国が穢れる!」
すり潰すって!ちょっとまって!まっちょうごげれじゅりじゅりちゅぴーん!
******
「ほほう、こいつは面白ぇや!ホントに復活するもんだな!」
はりゅれひょひゃれ。
「あのヘナチョコ魔王はコイツを捨てろって言ったけど、帝国のお姫様のご加護って事は、帝国に近づきゃご加護も強くなって、再生も早くなるかぁ?」
しんひょりもぺもぺ。
「おもしれえ!コイツを盾にして、性懲りもなく俺達にケンカ吹っ掛けてきやがった帝国にもっぺん殴り込み懸けてやろうじゃねえかよ!
そーすりゃあのヘナチョコが怯え上がったってヤツが出てくんだろよお!
ソイツさえ倒せば俺が本当の魔王だー!」
あしぇんしょれしょれ。
「しかし親分、コイツホント役に立ちますかねえ?」
「そうだな。ヒト族の領域行って、コイツをもっとミンチにしてやろうじゃねえか。
それで再生すりゃ使えるだろうよ」
しぇ、しぇ、しぇ~~~~!!




