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黒い正義  作者: ChildSky
3/3

音の交わり 其の貳

この日は晴れだった。

嫌になるほど、晴れだった。



僕は午後の授業そっち退け、

相変わらず空をぼんやりと眺める。

佇む雲が、僕みたいだった。

行く先は果て。

そんなことを知りもしないで、進んで行く。


英語T「こら簷城寺君!」


僕は白くて大きいそれに見蕩れていた。


渚「司呼ばれてるよっ」


と、幼馴染み兼恋人の緑原渚に小突かれる。


司「はいぃぃ!!」


びっくりしたー。

なにより自分の声にびっくりしたー。


英語T「全く。ちゃんと聞いてなさい!この英文を訳してっ」



僕はバカだ。

無論、勉学的な意味ではなく。

勉強なら、その一つのことを考えればいい。

同時にふたつのことを考える、それが僕にはできないからだ。



だから彼の存在にも、盲点があったのだ。










放課後。

いつものように佑也達や渚と一緒に帰る。


僕達は徒歩通だ。

そんなに近くもなく、そんなに遠くもない、

それ相応な距離だ。


沙結「帰り、ちょっとカフェよって行かないー?」


と切り出してきた。

時間も頃合、ちょうど3時を回ったところだった。


渚「うん、そうしよっ♪」


それに乗る渚。


司「食べすぎ注意だぞ」

渚「い、言われなくてもわかってるよっ…!!」


おぉ、そうかそうか。

そういってカフェに入った。


平凡だ。

僕はこういう普通な『普通』が大好きなんだ。


店員「ごちゅうもんは何にしますか?」


お。


司「ホットコーヒー。砂糖3つで」


自称、普通。他称、甘党。


渚「取り消しっ! 司のはホットコーヒーで、砂糖いっこ!」


そういうだろうよチクショウ!!

それと、『いっこ』くらい漢字で書けよ・・・作者。

…まぁ、いいか。

世話を焼かれるのは、嫌いじゃない。渚だからな。


沙結「佑也、私達邪魔じゃない?」

佑也「あはは~」

渚「な、なに言って…」


実は、告白してきたのは渚からだった。

今だにそういう話になると、顔が赤くなる。


司「よしよし」


そういって頭を撫でる。


渚「わ、わっ!!!」


赤い顔が更に赤くなる。

ざまーみろ。砂糖減らした罰だ。


その後も和気藹々、なんだかんだ楽しかった。


佑也「じゃあ、またね~」

司「おう、沙結には気をつけろよ」

沙結「ちょっとどゆ意味~!?」

司「冗談だって」


あはは、と軽い冗談をいいながら笑う。


渚「じゃあ、また明日っ」


佑也達と別れて、自分達の帰路につく。背を向けて。


渚「司っ、手、つなご?」

司「お、おう」


手と手が触れ、重なる。

さすがに恥ずかしい…。

恋愛物語じゃないんだぞ、これ。


人には福もあれば、災もある。

まだ福、つまり幸せしか見たことない僕は、

この先どうなるのだろうか。

否、渚と共に、乗り越えて行くのだろう。



しかし、そんな淡い想いは、

幻想にすぎなかったのだ。


渚「じゃあまた明日ねっ」

司「うん、またな」


そういって、自分の家に入ろうとした…


でも、目の前にはあいつが立っていた。


僕の人生をめちゃくちゃにし、破乱させた、中立立場者が。



クラスメイトで、音を発しなかった、由々浦影馬が。




影馬『待っていたよ、司君』


こんにちは、ChildSkyです。

やっとちょっと影馬が出てきました!

カフェに入ったのは、ちょっと司と渚の恋人風景を見せようかと…(笑)


そんなこんなで、ちょっとずつ本編に突入です!

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