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……最近…ウィルが……おかしい……


突然母親にサプライズしたり、後ろからマウントしてきたり……一体何がしたいんだ?

悶々としていると、ランスからウィルと一緒に買い物に行かないかと言われた。

ウィルのお母さんのお誕生日に何かあげたいとか。

こんな街の物で良いんだろうか…?


「ランス、ウィル。お待たせ!」


待ち合わせは街の中央にある噴水広場にした。

周りは私達の様に待ち合わせをしている人が多く………まぁ、転生前の渋谷の交差点前と言った所だ。


「3人揃ったけど……今日は俺はここで♪」


「「は⁉︎」」


「何で?ランスも一緒じゃないの?」


「ん~…今日はねぇ…やめとく。」


そう言うと、ランスはウィルに近付いて耳打ちをした。


「ってな訳だから。じゃあね♡」


「どんな訳よぉっ!」


「アハハ、後でウィルに聞いて~。」


ランスは笑いながら軽く手を振って去っていった。


「………さてと…じゃあ……行くか…」


耳まで真っ赤にしたウィルが言った。


「うん……」


何を吹き込まれたんだ?

街を歩くと結構な人で溢れていた。


「あれ…何かあったっけ?」


「あぁ、収穫祭じゃなかったか?」


「あ、そうか。そんな時期だった!」



___ドンッ!___



「あっ!ゴメンッ!」


話をしていた時に話に知らない人がぶつかってきた。


「わぁっ!」

「レイッ!」


思わず倒れそになる所をウィルが受け止めてくれた。


「ゴメン!俺、話に夢中で…君、怪我はない?」


「……あぁ、大丈夫だ。これからは…気を付けて歩いてくれ。」


後ろ向いてるから分かんないけど……ぶつかった人は私に言ったよね…何でウィルが返事するんだ?

それにしてもウィルって…結構力あるんだなぁ。

ビックリ。


………ん?


「ねぇ……ウィル……」


「何だ……」


「腰……離して……」


「…………あぁあああっ!ゴメン!!」


何か動き辛いと思ったら、ウィルにガッチリ腰をホールドされていた。

いやぁ……格闘技ならマウント取られちゃうよね☆

ホント、最初の出会いからビックリするくらい筋力強くなったんだろうなぁ…


………筋肉…見せてくんないかな………


「ねぇ……今度さぁ………」


「おぅ、何だ?……あ、あの店良さそうだな。」


「お腹……見せて。」


「ん~……良いぞ……………いや……今…何てった?」


ニコニコしていた雰囲気が一気に真顔へと変わった。


「ん、腹。今度、腹筋見せて。」


「嫌だっ。」


「何でぇっ!」


「お前っ………腹筋って……お前なぁぁぁ!」


フルフルと震えて……そんなに自信がないかっ腹筋!!


「お前っ!俺っ!この前告白したよなぁっ!」


「したけどっ!これくらい友達でもするじゃん!私ランスと見せ合いっこするもんっ!!」


最近のランスは悲鳴上げるけどっ!


「ランスは幼馴染だからだろ⁉︎俺はしないのっ!!いやっ……そういう事じゃ………あぁぁぁあああっっ!もう良いっ!帰るっっ!!」


そう言うとウィルは走って帰ってしまった。



※※※※※※※



「………で、そこからやって来ない…と。」


「うん。どうしてかな?」


いつもの食堂の手伝いも終わり、まかないも食べた後にランスの部屋でお茶をしながら話していた。


「う~ん……どうしてだと思う?」


「分かんないから聞いてんじゃん。」


「はぁ……流石にウィルに同情するかも……」


ランスが溜息を付いてお茶を飲んだ。


「だって……好きって……よく分かんないんだもん。」


ウィルから告白はされたけど…

そもそも「好き」の定義がよく分かっていない気がする。


「だって、ランスみたいな長い付き合いでもないし、私の全部を見て好きって言ってるわけじゃないかもじゃん。それに……」


転生前の記憶が蘇る。


「………ずっと好きなんて……ありえないよ。」


「……レイチェル……」


そう言うとランスが立ち上がって私の手を取ってベッドへ並んで腰掛けた。


「ねぇ、レイチェルは……()()って…色々あるのは分かってるよね?友達の好き、家族の好き……恋人の好き…チュッ…」


「…ん…」


「こうやって、額に親愛のキスをするのは俺は…レイチェルだけだよ。」


「……ウソ…好きな人にもでしょ?」


「まだしてない……っ!いやっ!!そうじゃなくてっ!」


真っ赤な顔をして言うランス……大好きだけど……


「この親愛のキスは血は繋がってないけど……俺の妹としてへの家族のキスだよ。」


「ん…分かってる……」


「でもね……」


___ドサッ___


「俺が……レイチェルを妹としても……1人の女の子としても……愛してるって言ったら……どう?」


ベッドに押し倒されて見上げると、真剣な顔のランスがいた。

いつもと違うランス……少し…怖い…


「……もう……冗談やめ「止めないよ……」」


そう言うと首元に顔が降りてきた。


「……んっ!」


チクッと、首に甘い痛みが走る。


「俺は……レイチェルが変な男に取られるくらいなら………俺のものにする…」



………転生前に見た…よく見る…男の熱い顔………



ランスの手が胸に上がってくる……押し退けようとしてもランスの魔法なのか…いつもなら軽く退かせるのにびくともしないっ⁉︎



「いやぁっ……」



ゾワッと、する……イヤだ……!!



___チュッ___



「ふぇ…?」


目を開けるといつもの優しいランスと目が合った。

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