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13 ウィルver.

「ウィル……俺の言いたい事は分かるかな…?」


テーブルに隣合わせで座り、ランスが腕を組んでこちらを見ている。


「……喧嘩して…申し訳ございませんでしたぁ(棒読み)」


「違うでしょ。」


ペチッ!


「いてっ!」


ランスに「反省会」と言われて食堂に連れて来られた。

言いたい事…分かってるよ!

だって……保留だぜ?!焦るだろうがっ!!


「冗談にしないのっ。俺、真面目に話してんだよ。」


「…ごめん…」


「…ったく……ウィルは好きになった人とか……付き合ったことは……あぁ…王子様だもんね、好きになる事はあっても付き合う事は…難しいか。」


「……まぁ……そうだな……」


「……でも、この前…告白したんでしょ?」


「うん……ちゃんと…した…」


………したけど……‥


「どうやって相手に『好き』を分かってもらえるのか…やっぱり…難しい。」


「まぁ、相手はあのレイチェルだからねぇ。」


「どうしたら分かってくれるんだ?」


「じゃぁ…参考になれば良いけど……これは、俺の周りの経験談ね。」


……と、ランスに色々と教えてもらい、俺はレイに挑む事にした。



*******************



___1st round Fight ‼︎___



〖花束〗


「レイ……これ…」


おれは王宮の庭師にお願いして珍しい花束を作ってもらってレイに渡した。


「……わぁ……凄く綺麗っ………」


やった!反応良いっ‼︎


「だろ……っ…あの「ビックリしたよ、お母さんの誕生日知ってたんだ!お母さ~ん、ウィルからこんな素敵なサプライズが来たよっっ!」


「きゃぁっ素敵っ!誰から聞いたの⁉︎嬉しい♡ありがとぉ~‼︎」


「……あ……あぁ……喜んでもらえて……良かったよ……」


___You Lose !___



*******************



___2nd round Fight ‼︎___



〖壁ドン〗


食堂を手伝っていたレイがゴミ出しの時に「俺も手伝う」言って裏口へ…


「よいしょ…っと…ウィル、ありがとね♪助かった。」


「レイ……あのさ……」


「……ん?」


___ドンッ!パシッ‼︎___


「ウプッ!」

「ウィル…近い…」


「……おはへ(オマエ)ぇぇ……」


壁ドンした途端、レイの手が顔に来て押しのけられた……


___You Lose !___



*******************



___3rd round Fight ‼︎___


〖会いたくて〗


___カランカラン____


「あれ……?どうしたの?」


「…あ……ちょっと…なっ………急に…お前の顔が見たくなって…迷惑だった…かな…?」


少し物憂げに…上目遣いでレイの顔を見る。

……どうだぁっ………ランスに何時間も稽古を受けた成果はっ!


「うぅん、迷惑なんかじゃないよっ。どうしたの?…仕事……大変?」


「まぁ…な……っでも…お前の顔を見たら元気が出るかなと思ったらさ……会いたくて…思わずここに足が向いてしまったんだ…」


「ウィル……」


あ…レイの顔が…近付いて……


___コツン…___


「……ん……熱は……ないみたいだね……」


「………んぁっっ!!!」


うわぁぁぁぁぁぁっ!!!


「あ、熱上がった?!…わぁぁっ!顔真っ赤だよっ!お母さんっ…先生っ……先生呼んでっ‼︎」


「あっ…いやっっ……これは違うんだっ!あっ母上っっ!呼ばなくて良いからぁっっ!」


「ダメだよっっ……よいしょっ…とっ!!」


___ガバッ‼︎___


「うわぁぁあっ‼︎」


何ぃっっ…レイに横抱きされた……だとぉっ……⁉︎


「すぐ私の部屋に行くよっ!冷やさなきゃ!!」


「良いってぇっ!降~ろ~し~てぇぇぇぇ!!」



………そして俺はレイの良い匂いがするベッドに寝かされた………



大好きな女に俗に言う「お姫様抱っこ」をされ……医者は呼ばない事に成功したが、サシャが迎えに来るまで大好きな女の香りがするベッドに寝かされた……



___You Lose !___



*******************



___4th round Fight ‼︎___



〖後ろからハグ〗


「……レ…」



___ドゴッ‼︎___



「ハゥッ!」


後ろから抱きしめ様と忍び寄ったら肘を食らう……


「わぁぁぁぁ‼︎ウィルッ、ごめ~んっ‼︎私後ろから気配無く来られるとどうもダメでっ!」


「……うぅ…良い攻撃だ…お前は騎士か勇者…か……」


___バタッ___


「ひゃぁぁぁ!ウィ~ルゥゥゥ~~ッ!!!」



___You Lose !!!___



*******************



「………で……何で……こうなった……」


目を覚ますとランスの部屋だった。


「ごめん…俺もまさかここまでとは……」


苦笑いのランスがベッドの横に椅子を置いて座っていた。


「何でランスの部屋…っ……イタタタ……アイツ…力強ぇな……」


俺は身体を起こしながらまだ痛む腹を擦った。


「前回倒れた時に女の子のベッドに寝かされてショックを受けていた…って、レイチェルがサシャに聞いたみたいでね。今回は俺が呼び出されて俺が運んだの。……まぁ…その……レイチェルはその辺の男より強いからねぇ…」


「〖会いたくて〗なんて……俺がトキメイてどうするんだよっ!お前にアドバイスしてもらったやつ…全部ダメだったぞっ!!」


「おかしいなぁ……前にレイチェルが言ってた憧れてたシュチュエーションだったんだけどなぁ…」


ランスが不思議そうに首を傾げていた。

うん。確かに俺も「壁…ドン」?は知らなかったが、花束や後ろから抱き締められるというのは城の者からも聞いている。



クソッ!今に見てろよ、レイッ‼︎

必ず俺を意識させてやるからなぁっ!



✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽


作者です。


「You Lost」の方が正しいと思いますが、こちらはあえて格闘ゲームの様な感じにしたかったので「You Lose」としております。

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