孤児院での最後の仕事
孤児院も建て替えが終わり、ガンゴたちには、お礼にたくさんのお酒を渡して、子供たちには、部屋が与えられた。
小さい子組は、大部屋で大きい組は、狭いが、1人一部屋を与えられる。
1人部屋は2階にあり、3畳ほどの大きさで、フカフカのベットと小さい勉強机と椅子が、置いてあり、小さいキャビネットが、あった。
大部屋は1階にあり、ベットとベットの横に2段のキャビネットが、10体ずつありそれが、3部屋あった。
「オーナー、建て替えが終わりました。部屋もだいぶ余っているので、これからくる子達も入れることでしょ。オーナーのお陰で大きい子たちは、1人部屋を与えてもらえて喜んでいましたよ。本当にありがとございました。」
「喜んでもらえてよかったよ…それよりさぁ私たち後数日で、王都に向かうでしょ?その前に孤児院で事業をしようかと思って」
「事業ですか…?どんなことをするんですか?」
アイテムボックスから、じゃがいもと大きい鉄板を取り出すと話を続ける。
「この芋で前に作ったいももちを孤児院のみんなで作ってもらって売ってほしいの、もちろん売ったお金は孤児院の物よ。シスターが決めて、子供達に渡してもいいからそこは任せるわ。まず、裏の畑で育ててるじゃがいもで作ろうと思うの、まぁ足りなかったら買い足しても大丈夫だから、そして半分はじゃがいもとして半分は、澱粉に変えて使って欲しいの、澱粉は、生成管理棟にお願いするつもり、大丈夫かな?」
「それは構わないのですが、私はまず商業ギルドの登録をしないといけないみたいですね。後は、作り方を伝授していただければ」
優舞は、コンロと鍋を出して、じゃがいもを茹でて、茹で上がったじゃがいもの皮をめくりボウルに入れ、その中に澱粉と塩を適量いれる。
それを一つ一つメモをしていくシスター、優舞は、ボウルの中をヘラで混ぜ合わせていく。
「手でやってもいいけど火傷に気をつけてね、こんな感じに粘土っぽくなったらこれをフライパンで焼くそれだけ
どうかな?」
出来立てをシスターに渡すとあつあつっと言いながら、美味しそうに食べていた。
「何度食べても美味しいです。これは売れますね。売りましょ」
「うん、後ねこれを作る時必ず、石鹸で手を洗って欲しいの」
「石鹸…ですか?流石に石鹸は、高いので…」
「大丈夫任せて」
たくさんの牛乳をテーブルの上におくと、手をかざして
「生成、牛乳石鹸」
と唱えると色とりどりの、四角い石鹸が、現れた。
「これ…石鹸なんですか?ピンクや緑すごいですね。これも売ったら売れますよ!!」
「それはまぁおいおいね…まずはいももちを売って利益を出さないと」
優舞は、今孤児院にいる子供達を集めて、いももちの作り方を教えて、作れるようになるまで何百回も作らせた。
出来上がったいももちは、孤児院の子供達だけでは、余ってしまったので、隣近所に宣伝がてらシスターと共に配り歩いた。
「あら、そうなのこれを売るの?売り始めたらすぐに行くわ、ありがとね」
もらった主婦たちは、味見をして美味しかったらしく、作り方を聞いてきた者もいたが、企業秘密だと言い、配り終わるとすぐに孤児院に戻った。
「じゃあ次は、生成管理棟に行ってくるね、何人かついてきてもらえる?」
「はい、5人くらいでいいでしょうか?」
「うんそのくらいで」
優舞は、シスターと他5人の子供たちを連れて生成管理棟へやってきた。
前に生成管理棟で会った男に、澱粉粉を作ってもらうように頼んだ。
「まぁ構わんよ」
「所長様お久しぶりです。今回、この様な事をお願いを聞いていただいて…対価の方はどうしましょうか?」
「…用途を聞いても?」
優舞は、生成魔法でいももちを作ると所長と呼ばれた男に渡した。
「このいももちを作って売るためです。」
「これは……!?美味いな…………そうだな必要になった時、これを作って持ってくる事は、可能か?」
「えぇ大丈夫ですよ、器も安い木の入れ物を用意しようかと思っておりますので毎回持って来ますね」
「そうか、じゃあ対価はそれで頼む」
「えっ?料金の方は?」
「料金は、それを作ってくるだけでいい」
「よろしいのですか?ありがとうございます」
シスターは、所長に頭を下げるとお礼を言い、生成管理棟を後にした。
優舞は、シスターたちが、出て行くところを確認すると、所長に話はじめた。
「私、数日したら王都に向かう予定なんです。もし何かあったら孤児院の子供たちとシスターの事、頼んでいいですか?」
「あぁ構わないが…お前王都に行くのか?だったら頼みたいことがある。
王都にある、生成管理棟本部の所長に手紙を手紙を渡してくれ」
「あー…うんいいよ」
「ありがとう、じゃあ後で孤児院の方に届けておく」
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次の日、シスターは、商業ギルドでギルドカードを作ってもらい、教会の一部で商売ができるようにしてもらった。
優舞は、教会の敷地内で道路に面した所に台を置いて鉄板をひいた。
「みんな、この鉄板は、今は冷たいけど、今から火をつけるから熱くなるから触ったらダメだよ。火傷するから取り扱いには気をつけて」
「「「はい!!」」」
火の付け方から、煮て焼くまで全ての工程を子供達にさせて、優舞とシスターは、暖かく見守っていた。
そしてオープンをして1食目が、できたため、薄い木の小さなお弁当箱みたいな箱に2つ入れて蓋を閉めて、アイテムバックにしまう。
朝、シスターと商業ギルドに行った際、2つのアイテムバックを購入して、1つはできたものを入れ、もう1つは、屋台を仕舞えるように子供達に預ける事にした。
ストックが、20コ程できた時、やっとお客さんが、屋台の前にやってきた。
その人は、お隣の家の奥さんで1番はじめに買いに来てくれた。
「昨日の今日でもうオープン出来たのね。約束通りきたわよ。1ついくらかしら?」
「1つ銅貨2枚で2つセットになっていますので、銅貨4枚です!」
緊張のあまり、1人の子供が、上擦った声で、商品の値段を伝えた。
「そうじゃあ、家族4人だから4セット貰うわ」
「えっと…2枚が2つで4枚だから…4枚の4で…だから銅貨16枚です!」
「あら計算も上手ね、じゃあ銅貨16枚ね」
「はい、ありがとうございます」
お隣の奥さんは、木箱を抱えて抱えて歩き初めたので、シスターが、追いかける。
「マリーさんすみませんまだ銅貨までしか教えてなくて」
「いいのよ時々だけど買いにくるからまた成長するところ見せてちょうだい」
マリーが、家に入って行くところを確認して一礼をして、屋台の後ろに戻った。
戻ると、数人が、店の前に並んでいた。
「2個で1セットか…じゃあユナ、一つ買って分けて食べてみるか、美味しかったらもっと買おうぜ、じゃあ1セットで」
男女の組み合わせの客は、一箱買うと少し離れた場所で、木箱を開けて一つずつとって食べ始める。
3組ほどいた、客はストック分で間に合ったので、すぐに
離れて行ったが、初めに買った男女のお客が店の前へ来て、4箱程買って帰って行った。
「やはり、売れますね、全て見せることで、お客も入ってくるのですね。それに、やっぱり石鹸で手を洗って清潔にしているところ見せると違いますね」
「まぁ清潔にしてると、食べたいって思うだろうね」
その日は夕方まで焼き上げてストックもだいぶできたので、今日の営業は終了した。
「オーナー、シスター、売り上げを発表します!1セット30個売れたので、銅貨120枚です!」
「すごいじゃない、初日にしては、まずまずの売れ行きだね明日はもっと売れるといいね」
「「「はい!!!」」」
次の日、いつもの行事を終わらせた優舞は、コパンの修行に出ようとしていたら、孤児院の子供が、従魔小屋に入ってきた。
「どうしたの?」
「あのね、そのね、シスターが、教会にきて欲しいって、なんかねお客さんがね、アワアワが欲しいってなんかね、言ってたの」
「アワアワ…?石鹸のこと?わかったすぐ行く…前にいっぱい飲んで、汗だくだくだよ、はいどうぞ」
マグカップを受け取った子供は、一気飲みして、優舞の手を引いて孤児院に向かった。後ろにはドンが、着いてきている。
孤児院に着くと、屋台の前で数人の男たちが、シスターに詰め寄っていた。それを見た優舞は、駆け足で、シスターのもとへ駆けつける。後ろには、ドンの姿がない。
「シスターさん、こんな、食べ物よりこっちの石鹸を売って欲しいんだが、ダメなのか?だいたい孤児院で石鹸なんて贅沢だと思わないのか?」
「なんで贅沢なの?オーナーの私が、提供してるのに、いももち買わないなら帰ってくれる?」
「あん?オーナーだ?じゃあこんな奴らに使わせるくらいなら俺たちに売ってくれや」
「石鹸は、売り物じゃないんで、備品なんで売ることは出来ません」
「はぁ?備品だと?俺たちは、商人だぞ?欲しいものを買って何が悪い?それにあんたがオーナー?子供じゃないか?笑わせんな」
「子供がオーナーで何が悪いのだ…アグラ商店」
男の低い声が、聞こえ、振り向くとドンと伯爵と老執事、その後ろに数人の兵が立っていた。
「なっ!伯爵様どっどうされたのですか?こんなところに」
「どうもなにも、私が後ろ盾になってる孤児院に来て何が悪い」
「うっ後ろ盾?ここの孤児院、伯爵の息のがかかってる場所だと!?ロンソン!どういうことだ!ちゃんと調べてなかったのか!」
「まぁまぁいいではないか…爺や、アグラ商店は、今後一切取引をするでないぞ、では帰るとするか」
「御意」
踵を返して、ドンを連れて帰って行く伯爵にアグラ商店の3人は、伯爵の元へ駆け寄り、許しをこうている。
「申し訳ありません!!申し訳ありません!!伯爵様お慈悲を!今まで通り取引を!伯爵様ー!」
アグラ商店の話を聞いていないのか、スタスタと歩いて館に戻ろうとしてる。
1人のリーダー格の男が、懐からキラリと光る物を手にしたのが見えた優舞だったが、ドンがいる為、成り行きを見ていた。
「取引しないんだったら、伯爵を人質に…!?」
懐から出したナイフを出した瞬間、リーダー格の男は宙に飛び5メートル先の壁にめり込んだ。
「えっ…?若旦那様?若旦那様!」
ロンソン達は、ぶっ飛んで行った、男に駆け寄り、肩を貸して立ち上がらせた。
「兵よあいつらを捕まえろ」
「御意」
あっという間に、捕まえられたアグラ商店の3人は、近くの詰所に連れていかれた。
「オーナー!?あれはなんなんですか!?人が飛んで行きましたよ!!」
「うんあれが、ドンちゃん達の力の一部だよ。一応ブタネコにもあるけど、半径は狭いけどね」




