カラーシープの涙
教会の外に出ると、ドワーフ達が、孤児院の建物の前に立っているのが見えた。
足早に駆け寄り、ガンゴに声をかける。
「ガンゴさん、後で教会の方に、やってくれませんか?夕方くらいにこっちに戻ってくるので」
「あぁ構わんが、どうした?」
「例のものが、大量にできたので」
「あーなるほどわかったグンゴいつものアイテムバック持ってきていてくれや、中でいい」
「あれだなわかった」
グンゴは、踵をかえして、足早に去っていく。
「じゃあ後で」
手をヒラヒラさせて、ドンを連れて孤児院を出て、冒険者ギルドへ向かった。
ギルドの提示版を見ると、カラーシープ討伐の紙が貼られていた。
紙には、討伐できなくたも、群れに返すだけでもオッケーだと書かれていたが、誰もそれには、目もくれず違う依頼書をとって受け付に向かっていく。
優舞は、誰も手に取らない、カラーシープ以外の北門にあるタライの森の依頼書を手に取る。
受け付に持っていくと、怪訝そうに受理をする。
「北門から30分程にタライと言う森があります。この領ではそこにしか、生えていないコミングの花の採取をお願いします。今回の依頼書には、コミングしかありませんが、ここには、他の薬草もあり、そちらもとってきていただきますと、別途お支払いいたします。後、カラーシープのことは、ご存知でしょうか?」
こくりと頷き、受付嬢の次の言葉をまった。
受付嬢は、周りを見渡し、優舞にしか聞こえないように小声で話し始めた。
「知っているならなぜこれを選んだの?あなた、ランクが低いのよ?目撃情報によれば、タライの前の外道にいるみたいなのよ。確かに羊毛も取れるみたいだけど、結局ほとんど取れず、追いかけ回されて、みんな帰って来るのよ」
「うーん多分大丈夫、もし羊毛も回収出来たら、買取できます?」
「もちろんするわよ。行くみたいね………でも気をつけてね。命を1番に考えて、あなたのことは、オズから任されてるの。その子たちがいれば大丈夫だって事もわかってるけど、油断はしないで」
「ありがとうございます…では行ってきます」
ドンの頭絡のロープをガッチリ掴んで北門へ、やってきた優舞は、ギルドカードを提出する。
門番は、怪訝そうに優舞を見て、カードを返す。
「…お通りください」
少し歩くと、ドンに鞍をつけて上に跨る。
パカポコと歩いているとタライの森が見えてきた。
「ドンちゃんいないね…もう森についちゃうよ」
「主殿、誰かが泣いてうるよだのぅ」
「泣いてる?誰が?」
「主には、聞こえぬのか…多分じゃが、主殿が、探してある羊のようなのじゃ…」
「なんで泣いてるの?」
「帰りたい帰りたいと泣いておるのじゃ…森からでて来るようじゃ」
とドンが言うないなや、勢いよくこちらに走ってくる紫色の物体が見えた。
カラーシープは、ドンに張られている結界にぶつかり、勢いよくひっくり返り、尻もちをついた。
「メェー!メェー!メェー!メェー!」
「よしよしわかったわかった、主殿、羊は親のところに帰りたいそうなのじゃが、何故かみんな逃げるので、誰でもいいから探していたそうじゃ」
「そりゃ逃げるよ今みたいに全部生身で体当たりされたら死んじゃうよ。そっかー羊だもんな、群れにいないとストレスなるらしいから、連れて行くか、ドンちゃん羊に親の場所聞いて」
「メェーメェーメェー」
「ふむ、ふむ…ふむ、なに?それは、しかないのぅ、わかった主に頼んでやるから少し待つのじゃ…主殿サイレージを出してくるんかのぅ」
「いいけど、お腹空いたの?」
「いや妾ではない、この羊がお腹空いて、腹ごしらえしてから帰りたいそうじゃ」
「なるほどね…はいどうぞいっぱい食べて」
アイテムボックスからたくさんのサイレージを出すと、カラーシープは、美味しそうにパクパクと食べ始め、涙を流した。
「ドンちゃんこの子見てて、少し森の中に入って依頼の花とってくる」
「わかったのじゃ…危ないと思ったらすぐ戻ってくるのじゃ、主自身には結界はないのじゃからのぅ不老であって不死ではない気をつけるのじゃ」
「うん!行ってくるね」
森の中に入ると、入り口は花は、咲いておらず、少し歩くとコミング以外の薬草が、ありちょっとずっとってアイテムボックスに入れて森の中に進んで行った。
10分程歩くと、お花畑があり、その中にコミングの花も混じっていた。
鑑定の結果、アリアの花、アリアの花、ストローの花、コミングの花、アリアの花と書かれていた。そのうちのコミングの花を20本、アリアの花を20本ストローの花20本程とってアイテムボックスへと入れた。
「こんなに花が、あるのに8割アリアの花なんだ。確か、アリアは、魔力ポーションに使うんだよね…もうちょいとっていくか…ストローはいちご風味がするだけで効果はなかったはず、でもこれで苦いポーションもいちご風味なるから飲みやすみたいだね。だったらこれももう少しとるか」
たくさんの花を摘んで、いるとここにはもう1時間以上いる事に気づいた、優舞は、足早にドンのところへ戻る。
「ドンちゃん!ごめん遅くなった。すぐ見つかったんだけど、他のもあっていっぱい摘んできたの」
「大丈夫なのじゃ、こっちは食べ終わったのでな、そろそろ出ようかのぅ、羊や案内を頼むぞ…ふむなに?カグラと呼べじゃとわかったカグラや案内せい」
カラーシープは、ドンの横に並んで北の外道を足早に進んで行く。
途中、カラーシープは、何度も立ち止まり、メェーメェーと涙を流しながら、匂いを嗅いでいた。
1時間程、歩くとドンが立ち止まり、それを見ていたカラーシープもピタリと止まり、ドンを見て首を傾げる。
「ドンちゃんどうしたの?」
ドンの上に乗っている優舞も不思議そうにドンの顔を覗き見る。
「あっちじゃ、あっちからカグラと同じ気配がするのじゃ…あぁ多分お主の親であろう、行くのじゃ」
カラーシープは、涙を目に溜めて、ドンに言われた方へ走っていく。ドンもカラーシープに続き、走って行くと、たくさんの色のモフモフが動いているのが見えた。
「メェーーーーーーーー!?」
とても大きくカラーシープが、叫ぶと崖の下の平原にいるカラーシープたちが、いっせいに紫のカラーシープに顔を向ける。
紫のカラーシープ、慌てたように、足をもつれさせながら、群れに飛び込んでいく。
そこには、青と赤のカラーシープがいて、紫色のカラーシープの顔に顔を擦り付けていて、涙を流していた。
「よかったね、ドンちゃん、お母さんとお父さんに会えて…私もお母さんが死ぬ前に空いたかったな……北海道と大阪だもん遠すぎるよ…」
「主殿…」
ドンの首筋に顔を埋めて、涙を流した。
少したって、ドンが踵を返すと、後ろからメェーと鳴き声が聞こえ、振り返ると、紫のカラーシープが、何やらドンに話しかけていた。
「ふむ…ふむ…ふむ…よかろうその代わり、採れた分は、持ち帰って良いかのぅ…ふむわかった…主殿カグラ達からお願いがあるそうじゃ」
「ん?なに?」
「身体が痒いそうだ、いつもの金ぐしで掻いてやってくれぬか、抜けた毛は持ち帰って良いそうじゃ」
「うっうんわかった…
じゃあ掻くねまずは、あなたからよカグラだけ?よしいくよ」
まずは、紫色のカラーシープの体を丸い金ぐしでゴシゴシと掻いていく。
それを、日が傾きかけてまですると、やっと全頭終わり、ぐったりとドンの身体に体を預けた。
「では、カグラやもうはぐれるではないぞ、次はないぞ、妾達とて忙しいのじゃ…ふむわかった主殿に相談しておこう、今は疲れておるからのぅ…ではまたのぅ」
ドンは、急足で、でも優舞が落ちないように加減をして北門へ急いだ。
門に着くと、門番がいたが、優舞が、ドンの上で寝ていることを確認すると、カードの提出を拒否し、中に入れた。
「カラーシープにでもあったのか?」
「あぁ、群れまで送り届けてきてのぅ主殿が、疲れてしまったのだ」
「はぁ?カラーシープにあったのか!?大丈夫だったのか?」
「大丈夫であった。ただ、群れからはぐれて泣いていただけだったからのぅ」
「そうか、じゃあギルドへ連絡してくれ。それが、ほんとうなら、もう時期ここも普通に通行できるようになるからな、ありがとうな、後、ご主人様を休ませてやってくれ、カラーシープを連れていってくれたんだから」
「御意」
門番に、頭を下げると、ドンはまず初めに、ギルドへと足を運ぶ。
中に入ると、受付嬢のところへ行き、カラーシープの事を話した。
「えっ!カラーシープを誘導したんですか?わかりました。すぐに冒険者を向かわせます。また明日きてくれますか?貴方のご主人様と一緒に、今は、無理そうなので、依頼の分も明日でも構いませんので」
ここでも、軽く頭を下げると優舞を乗せたまま、ギルドを出ると、今度は教会に向かった。
「そうですか…そんな事が…構いませんよ、スープ無くても、食べ物がいっぱいありますから、お大事にしてください。ガンゴさんもそれでいいですよね?」
「あぁ明日でもかまわねぇーよ、寝てるやつ起こしてまで貰うわけにはいかんからな、じゃあまた明日な」
やった思いで、宿に戻ったドンは、マーサに宿屋の主人を連れてくるように伝え、優舞を宿屋の主人に、部屋まで運ばせて、マーサに絞るように頼んだ。
「搾乳機預かっててよかった。でも大変だったんですね。カラーシープって性格はおとなしいらしいですけど、突進が、すごいらしくて、捕まえられないそうですよ。
そっかードンさんたちは、魔獣や魔物の声を聞けるんですね、そのおかげで、群れに帰れてよかったですね」
「ですが、あそこまで、主を疲れさせるなんて、ドンさんどう言うことでしょうか?」
「ママ、しんどそうだった」
「連れて行くまではよかったのじゃが、なにぶん1人で、金ぐしをしたのじゃから疲れたみたいじゃ」
「そりゃ疲れますよ!!私たちでも2、3頭ぐらいしか続けてできないって言ってましたよ!それなのに100頭程、したってそりゃ主でも疲れますよ!!」
少し、怒られたドンは、乳搾りが、終わると拗ねたように小屋の中に入りゆっくりと足をおり、目を閉じた。
家で使っているのは丸いステンレスの6枚刃のやつですが、やるとやるんですが、かなり、腕や手が疲れます。
痒そうにしているから、やってあげたいのはやまやまなんですが、腕、死にます(;´д`)
2、3頭が、限度ですね、私的には、他の大量や腕に自身がある人ならもっとできるでしょうが、私は、嫁ぐまで出不精なので仕事以外で出るの嫌だったし、運動も嫌いでした。そんな奴が、100頭もできるはずがない!




