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異世界で牛飼い生活の旅  作者: リベロ
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さらばワンダール領!旅は道連れ世は情け

朝日が、昇る直前に、起きた優舞は、階段を降りてすぐさま、従魔小屋のに繋がる扉を開ける。


「ドンちゃ〜んおはよー」


外に出ていた、黒い影に抱きつき、顔を擦り寄せる。

「うん?あれ・・・?ドンちゃんじゃない・・・」

「主、私でございます。カドでございます」

「えっ・・・カド?本当に?カドー!?」

再び抱きつくと、その頬には涙が、流れていた。


「・・・どうして死んじゃったの?

予定日の数日前だったじゃない?

ごめんね・・・私のせいだよね?配合あげすぎたから・・・」

「主が、悪いわけではないのです。私の食いじが悪かったのです。お顔をあげてください主・・・いつものようにキスをしてくださいまし」

「うん!」

涙を腕でゴシゴシ拭くと、カドの前に立つ。

ゆっくりと近づいて、鼻と鼻をチュッ効果音をつけて、あてる。

エヘヘっと笑ってカドの頭を撫でる。

「・・・妾にはしてくれないのかのぅ」

まだ小屋の中で寝ているドンは、チラリと優舞を見てまた、目を閉じた。


優舞は、ドンの側まで行くと背中を曲げて、軽くドンの鼻に鼻をつける。


「ドンちゃん可愛い!!」

ドンの頭を撫でると、気持ちよさそうに、首をのばす。

「さてと、ご飯用意したら、2人とも搾るからかねー。まずは、ドンちゃんから」

いつもの様に、ドンから搾り、そしてカドを搾る。

2頭ともおとなしく、搾り終わるまで、サイレージをむしゃむしゃ食べていた。



その後は、ギルドに向かい、配達をして、カドの従魔登録を完了する。

「これで、カドも私の従魔になったねー」

「主、私は、前からあなたの牛でございます。今更でございます」

「この世界では、ギルドで登録しとかないとダメだからね」


その後、屋台通りに向かうと、驚いてこっちを見ているサイルがいる。

「ねっ姉ちゃん!?増えてない?」

「うん!!この子はカドって言うの!仲良くしてあげてね。

牛乳の量も増えたから、昼過ぎるかもね」

「そんなのどんとこいだよ!」


いつもより、牛乳が、多いせいか、夕方になる頃にやっと売り切れ、従魔小屋の前に戻ってきた。

いつもの様に、サンドを作り、乳搾りをする。

「これなら販売の量減らさなくて、チーズに回せる。じゃあドンちゃん、カド、お留守番よろしくね。暗くなる前には、帰ってくるから」


2人で、ゆっくり町中を歩きながらサイルの家の方へと向かう。

サイルの家が、見えてくると中からマーサと知らない男2人がでてくる。


「痛い!やめて!」


その声が、聞こえた2人は、顔を見合わせて、急いでマーサの元へと向かった。

「おっさん達、マーサお姉ちゃんを放せ!」

「なんだお前は!」

「サイル!ユウさん!」

2人が、目に入った瞬間涙を流すマーサ。

「なんだか、知らないけどよー、さっきも言ったが、あんたの父親が、残した借金の担保の家を取り立てにきただけだろ?借金返せないんだったら、貰うしかないだろ?」

借金取りの男2人は、マーサを突き放す様に、家から放り出す。


「・・・その借金って家で賄えるの?」

そう聞く、優舞

それに、1人の男が、答えた。

「まぁ、そうだな、利子分が少し出るから家と残りが、金貨50枚だな」

「そうか・・・じゃあこれで・・・」

金貨50枚を男に渡すと、

「じゃあ荷物もあるから少しだけ待ってくれる?家具とかいいと思うけど、服とか大事なモノとかあるだろうから」

と言い、3人で家の中に入っていく。


優舞は、2人に指示をしているものをアイテムボックスの中へ詰めていく。

「今日は、とりあえず、私が泊まってる宿に行くよ。それからはどうする?一緒についてくる?

私は次の町での売り子もチーズ作りも手伝ってくれるなら、生活面での費用は、こっちで出すよ。もちろんこれからも、働いてくれるなら、給料もだすけど・・・」


マーサ、止まっていた涙をまた流して優舞に抱きつく。

「ユウさん・・・ごめんなさい。私たちも旅に連れてってください。家もないし、お金もないし、あなたには、返さないといけない恩がたくさんあるわ。だから・・・」


優舞は、マーサの背中をポンポン叩くと、必要なものを詰めたので、家を出ることになった。

家を出ると、マーサは、先ほどの取立ての男に鍵を渡す。


「家具とかは、本当にそのままでいいんだな?じゃあこれ、借用書だ。またのご利用を」

 取立ての2人は、手をヒラヒラとふり、去っていく。

「2度と使うか!」

とサイルが、叫ぶと2人でサイルを抑える。

「さてと、まず、宿に行くか、マーサにカドのことも紹介したいし、それから鞍を作ってくれたところにも行きたいしね」

こくりと頷く、2人を連れて、ギルドの裏手にある宿へ行く。



宿泊の手配をして、3日ほど料金を払うと、ドン達の元へ向かう。

「マーサ、とりあえず、カドを紹介しとくね。新しくきた子だよ。これに、鞍をつけて、あなた達2人に乗ってもらうから、それでいいよね?カド」

「主が、そういうのであれば、私は、それに従うだけでございます。2人ともよろしくお願いします」

「こっちこそ・・よっよろしく」

マーサは、カドの頭を恐る恐る撫でるとカドは、マーサの腕をペロリと舐める。


「っいたっ・・!?」

「この子達の舌は、ヤスリみたいだけど、この子達にとっては敬愛の意味だから我慢してあげて」

「うっうん・・ありがとう」

「じゃあ私、革製品の店に用があるから、日が暮れる前に帰ってくるよ。

チーズ作るなら置いてくけど・・わかった置いてくね」

チーズキットを置いて、その場を去る優舞、マーサは、さっそくタンクから牛乳を取り出している。



ーーーーーーーーーーー


革製品工房に着くと、中へ入っていく。

「そうか、もう町を出るのか・・・それで鞍の設計図が、欲しいと・・・そうだ王都に行けば、兄貴が、工房を開いている。そこで作ってもらえばいい、ついでに、手紙も届けてくれないか?あんたのことも書いとくよ。設計図と一緒に渡してくれればいい」

「でも、王都には、いつ着くかわかりませんよ?次の町・・オーラスタム領の次が、王都ですよね?とりあえず、次の町でも1か月程、いますよ?」

「構わん、お前のタイミングで、王都に行った時に、兄貴を訪ねてくれ」


わかったと言うと、手紙が、書き終わるまで、店の中を見ていた。

「ウィンドウショップもいいな〜」


「できたぞ、じゃあ頼んだぞまた、この町にも来てくれ。女房もあんたの売る乳の虜でな」

手紙を受け取り、じゃあと言い、アイテムボックスからピッチャーとチーズを出して渡す。


「明日からは、もう店はやらないのでこれで最後ですね。あとこれ、口に合えばいいんだけど、チーズって言って、乳からできてるんです。パンに合いますし、オヤツにもなります。溶かして、ソース的な感じにもなります」

「あぁそうかありがとう・・・また来てくれよ」

手をヒラヒラとふり、工房を後にする。

外は、夕焼け空が、広がっていた。

急ぎ足で、宿へ戻ると、小屋の前で、マーサがチーズを作っていた。


「あっおかえりなさい。今、やっと10個できたところ」

「ありがとう、もう終わりにして、ご飯にしよう。明日からは、店を開けないから、旅の準備をしに町で買い物しよ」




ーーーーーーーーーーーーーー

次の日、いつもの様に牛乳を配り、マーサとサイルを連れて町へと繰り出した。


マーサとサイルの旅の準備をしいる。

サイルは、さっき買った旅用のローブを着て、くるくると回りながら嬉しそうにしている。

「サイル、危ないわよ。他の人にも迷惑かかるわ。やめなさい」

「はーい」

くるくると回るのはやめたが、マントをヒラヒラとさせて遊んでいる。


「ユウさん!こんなに、旅には必要なんですか?服だって今までのが、あるし・・・」

色んな店を回って、皿や服、その他諸々を買い、アイテムボックスに入れていった。

「必要だよ。旅の途中で寒かったらどうする?布団も買ったけど、それだけじゃ辛いでしょ?皿だって水は、無限じゃないんだよ?洗えない時だってある。今は、この革の水筒だってマジックバックで水たくさん入るけど、持って5日だし、これから牛も増えたら、5日も持たないしね・・・」


昼を回った頃にやっと買い物が、終わると従魔小屋の前に行き、昼食を取った。

その後は、優舞は乳搾り、マーサは、チーズを作って、サイルは、朝に買ってもらったローブを来てまたくるくる回っている。



「そういえば、カドは、どんな能力持ってるの?」

乳を搾りながらカドに聞くと、

「私は、水を出すことが、できます。いつも、革の袋から出してくれますが、私ならいくらでも出せますよ」

「えっ!?そうなの?じゃあ旅は、楽になるね。ありがとう」




ーーーーーーーーーーー

朝、起きると、ドン達の所へ向かう。

一頭ずつ、鞍をつけて、横にサイドバックをとりつける。


「これでよし!ドンちゃんどう?一回乗ってみるよ?

よっこいしょっと!うわーすごい!前にもっさんの上に乗った時より乗り心地がいい!あの時は、ロデオになったからなぁ〜」

そこへ、マーサとサイルがやってくる。

「おはよう、もう準備終わったのね。もう出るの?」

「うん!とりあえず、最後に、牛乳配って西門へ行こう」




西門に着くと、ギルドカードを見せる。

2人は、住民カードを提示すると、兵士は敬礼をして、道を開けてくれた。





少し、歩くと、ドンの上に跨がり、手綱を手に持った。

マーサとサイルもカドの上に乗ると、早足で、道を進んでいく。


「この子達、早いのね、これだと早くに、次の町に着きそう」

「なんか、30㌔は出るみたいだから、歩くよりは、早いはずだよ。まぁ私たちを乗せたるから少し遅くはなるだろうけど」 




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