ドンっとお金あげすぎってどうなの?
次の日、牛乳の売れ行きも良く、昼には、完売したしまう。
昨日のように、従魔小屋に移動して、チーズサンドをサイルに渡す。
「サイル、これ今日の分のお給金だよ」
「・・・え?昨日の分て1ヶ月分じゃないの?」
「あれ?私、1日金貨1枚って言ったよ。雨の日休みたいし、その都度渡そうと、思ってだんだけど・・1ヶ月まとめての方が、よかった?」
2人揃って首を傾げ、目を見合わせる。
ドンは、小さなため息をはいて、目の前にある、サイレージを食べる。
「雇い主が、1日金貨1枚でいいっていうんだから、貰っておきなさい!わかったね!サイル」
「うっうん・・・」
多分相場を知らないんだなっと心の中で思うサイルは、黙って金貨1枚を受け取る。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
サイルを雇ってから2週間が、すぎたが、雨の日以外は、売り場に立ち、せっせと牛乳を売り切るまで毎日販売していた。
そんなある日の朝、いつもの時間にサイルが、来なかったが、いつも通り店を開け、暇なく売り上げて行った。
気づくと、既にミルクタンクは、空っぽで店じまいを始めた。
「今日、サイルこなかったね。なんか用事あったのかな〜」
「主殿仕方ないのじゃ、サイルは童じゃ、妾や主みたいに大人では、ないからのぅ、遊びたい盛りじゃ、若牛や初産の牛もそうじゃろ?」
「そうだよね、サイルまだ8歳だもん。よくその年で働いてくれてるし、お休みもあげたかったから、ちょっとどいいね!」
従魔小屋に戻ると、昼食を用意して、食べようたした時、向こうから、ズンズンと歩いてくる、2人の影が見えた。
1人はちいさく、見覚えの子で、もう1人は、優舞と同じくらいの身長でおさげの女の子ーー
「サイル?どうしたの?お昼一緒に食べる?」
「お姉ちゃん、今日はごめんなさい」
「あなたね!私の弟に大金渡して!売るつもりなの!?」
「マーサお姉ちゃん!このお姉ちゃん相場を知らないんだよ!だから、大丈夫だって!言ったけど、聞いてくれなかったし、雇い主だからってそれで・・・」
しょぼんと項垂れるサイルの頭を優舞が撫でる。
「ごめんね、私が相場知らなくて、前に住んでた所では、当たり前っていうか、多いとも少ないとも言えないんだよね・・・金貨1枚で一万円くらいだから、一日中働いたらそれくらいかなって、ホントなら売れなきゃ夕方までだから一応そこまでの分を計算して金貨1枚なんだごめんね」
そう言ってサイルに、いつものようにサンドを渡す。
「それに1ヶ月程しかいない予定だから、後、2、3週間もすれば、この町を出て行くし、それ以降のこと、考えたら、サイルはまた仕事なくなるんじゃないかって・・・一日金貨1枚ならパンを100個くらい買えるでしょ?それが、20枚あれば、1年は大丈夫でしょ?だから・・・」
マーサは、サイルを少し見ると、優舞に目線を合わせる。
「すみません!親のこと聞いてたんですね・・・あなたをみてわかりました、騙されてるんじゃないって・・・善意だったのね。相場をわからないってパンが何個買えるか計算してる時点で、相場わかってるじゃないですか!
姉の私より給料が、いいのは、気に食わないけど!
あなたが、旅に出るまで、サイルをお願いします」
頭を深々と下げ、上げると、にっこりと笑い、握手をした。
マーサは、ドンを見ると恐る恐る、頭を撫でる。
「あなたにも、サイルが迷惑をかけると思いますが、よろしくお願いします」
頭を撫でられているドンは、嬉しそうに喉を鳴らしていた。




