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45話 ハードコースと弓の雨




 ダンジョン踏破報酬は【騎士の誇りの欠片】という消耗アイテムだった。

これはエフェクトアイテムと呼ばれる物で、使用すると必殺技のカスタム画面で専用のエフェクトやモーションなどが出るようになる。

今回のこのアイテムはプレイヤーが剣を装備している場合、体から後光のような光が出るというもの。

装備を指定されているのでルーリーにとっては使い道のないアイテムだが貴重な物ではある。


「まだまだタイムを縮められるな」


 ルーリーは報酬を一瞥(いちべつ)したが興味をひかれなかったらしく、すぐにウィンドウを閉じる。

今彼女が興味を持っているのはダンジョンクリア速度をあげること。

『この世で一番早く』なんて言うつもりは彼女にない。だが大幅に削れそうなところは削って詰めておかないと気になってしまう。


「よし! いくぞ!」


 二週目のノーマルコース。

ルーリーは最初から全速力で走った。

コースは覚えていない。しかし分岐が無い、敵は曲がり角の後にいる。

これだけを覚えておけばどうとでも対処ができる。


 両腕の鉄球を手首を使ってグルグル回しトップスピードを保ってコーナーを曲がる。


「ふっ!」左折し、右腕の鉄球をまっすぐ飛ばす。吹き飛ぶガイコツを踏まないよう気を付け進む。

「おりゃっ!」右折の時は左腕の鉄球を同じく飛ばす。

勢いあまってたまに壁を蹴ったりしつつ進んでいく。


 ボスは変わらず二刀流の巨大ガイコツ。


『カタカタカタカタカタカタカタカタ』

「……っふー順調じゃな。一瞬で終わらせるぞ」


 ボス戦開始のアナウンスが表示された瞬間、ルーリーは鉄球を投げる。

ボスガイコツが動き出す前にその両手の武器に鉄球が当たり、巨大な剣は別々の方向へ飛んでいく。

(次の一瞬が大事。どっちにいく)


 ボスが右手側の剣を拾いに動き、ルーリーは反対へ走る。

剣は大きいが床に落ちているので攻撃がし辛く、そのせいで最初の周は時間がかかった。


「なら攻撃しやすいとこに上げれば良いだけ! っじゃな!」


 ルーリーは剣の近くでクルッと回転し、尻尾で剣を叩いて宙へ浮かせた。


「オラオラオラなのじゃあああああ!」


 中空に浮かんだ剣へと連続攻撃を食らわせるルーリー。


 ノーマルコースの敵はレベルが20で固定。それはボスも変わらない。

一方ルーリーはレベル上限が解除された後にレイドイベントをこなしたので少しだけレベルが上がっている。

ソロモードということもあって、ちょうどよい高さで出せた彼女の攻撃はボスの体力ゲージをゴリゴリと削っていく。


「あっち行っておれ!」


 体力が半分ほどまで減ったころガイコツが剣を取り返しにやってきた。

だが、その剣をまた遠くへ弾き、巨体は無視する。


 ダンダンダンダンダンダンッ。

ラストスパートに攻撃速度を上げていく。


「終わりじゃあああああ!」


 そうして表示されたタイムは6分35秒だった。


「うむうむ。良い記録じゃ! このままハードも行ってみるか」

 

 二つ目の【騎士の栄光の欠片】をしまい、ごきげんに鼻歌をうたいながらルーリーはハードコースへと入っていく。


 ハードコースの敵はレベルが30固定。

そして雑魚キャラに別のガイコツが追加されていた。

小走り気味にダンジョン入って最初の曲がり角を通り、やはり隠れていた剣ガイコツをやり過ごそうと、彼女は鉄球を投げた。

カツンッ!


 鉄球が何かに当たって弾かれる。

「おっ?」 

ルーリーは戸惑いながらすぐ反対の鉄球を放るもそれも防がれ、それどころか逆に彼女の額にドンッと何かが当たった。。


「おっ? おっ?」


 状況を確認するために一度通路を戻っていく。

システムウィンドウを開き彼女自身の全体像を表示すると頭から黒い棒が生えていた。


「この黒いのは……矢か?」


 画面を見つつ、おでこの辺りを手で払う。

すると簡単に黒い棒は外れて消えた。


「威力はそこまででもないが。連射が邪魔か?」


 ルーリーがそんなことに時間をかけていると、ガシャガシャとガイコツの歩く音が近づいてきていた。

だが、弓の援護がない剣ガイコツはレベルが上がっても大した敵ではない。


「ちょっと待っていろ」


 ゴツンと鉄球を当てて剣ガイコツを転ばせるルーリー。

攻撃ではないのですぐに立ち上がってくるが考えをまとめる時間程度にはなる。

起き上がったガイコツを再び転ばせ、彼女は角を飛び出した。


 長くまっすぐな通路に目を凝らすとその一番奥に黒い弓を構えたガイコツが立っていた。

通路の長さは目測で100メートルほど。

そこから小気味よいリズムでタタタンと矢が飛んでくる。


(ちゃんと目で見てて、横から邪魔が入らなければ問題は無いな)


 ルーリーは矢を避け、通路を駆け抜けた。

ガイコツは一度弓を引き絞っただけで3本の矢を飛ばす。

だが、その次を撃つのに少し間があった。


 矢が飛んでくる間の時間を数えて当たる瞬間だけ鉄球を盾代わりにする。

これを意識するだけで簡単に弓ガイコツの元までたどり着けた。


 剣のガイコツと同じく鉄球で弓ガイコツを止めようとしたルーリーだったが、角のある左側からの気配に顔を向けた。

カツンッ! 左からも弓矢。そして角際の近くで待機していた剣ガイコツ。


「おおうっ面倒じゃな」


 彼女が耳を澄ませると通ってきた通路からもガシャガシャ聞こえた。最初の剣ガイコツが向かってきているのだ。

ひとまず目の前の角に隠れ、遠くの2体目からの視線を外すルーリー。

近くのガイコツたちを停止させ二つ目の長い通路へ駆け出す。


「前からのが2、1! 今! 後ろが3、2、1! 今! 前が……」


 2体の弓ガイコツのタイミングがずれているので、別々にカウントを刻みタイミングよく少しだけ左右どちらかに避ける。

その力業でどうにか弓ガイコツサンドを突破するルーリー。

 最後の道は横幅が今までの倍広く、奥の左右両方に弓ガイコツが立っていた。

背後と前に2体。3体に狙われてもやることは変わらない。

奥のガイコツは攻撃タイミングが同じなのでこれまでの道とあまり変わらない感覚で通ることができた。


 ハードコースのボスは巨大剣ガイコツとノーマル弓ガイコツが3体。

メインボスの動きは変わらないが、お供が増えたことによる攻撃頻度の低下と、敵のレベルが上がったのでルーリーの攻撃で与えるダメージが大幅に減った。


 お供が立っている位置もいやらしく、ただ転ばせることを狙っただけでは3体倒す前に最初のが起き上がってしまい何の意味も無い。

しかも、半端に手を出したせいでお供の攻撃リズムが狂い、途切れなく常に彼女へ矢が飛ぶ状況になってしまった。


「くっっっっっっっそ時間かかったああああああ……」


 出口から肩を落として出てくるルーリー。

 彼女の初見ハードコースクリアタイムは26分41秒だった。


 報酬アイテムは【騎士の威信の欠片】

ノーマルコースと同じく必殺技カスタムアイテムであり、必殺技を使うと体が光るようになるらしい。

ノーマルのでは背後から、これは体全体が光る。

最近更新が遅くてすいません


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