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28話 その頃の二人


 背中の甲羅がピンクのわたがしなカメのキュータルと黒く太く短い尻尾が特徴の忍者娘カノエ。

彼女ら二人はオベリスク【そこから見える底】付近で戦闘を行っていた。

二人に何か欲しい物があるとか探し物があるというわけでは無い。彼女らはただ戦闘をしたくて今一番強い敵の出るこの場所にいるだけだ。

 

「必殺技はそれで完成でござる? キューちゃん」

「んーそうだねー。これくらいがCT的にもちょうどいーかも」


 彼女らの目の前で光となって消えていくモンスターたち。この日すでに何十回も見た光景だ。

双方の間にはピンクの雲で作られた二足歩行の人型物体。


 キュータルは背中の甲羅部分から発生する雲を操作することができる亀【クラウドシェル】という種族に属している。

彼女達クラウドシェルが近接攻撃を行おうとすると、下のカメ体ではなく上の雲部分が拳や足を作り代わりに攻撃する。

しかし、背中の雲を操る場合、雲と甲羅は一部でも繋がれていなければいけない。

雲で腕を作り殴った場合、攻撃の最中に途中の雲が吹き飛ばされるとその時点で全ての動作が終了となる。


 視点が低く旋回能力も低く視野角も狭いという三重苦を背負ったクラウドシェル族の欠点を補うため、キュータルが考えた必殺技がこの独立して動く雲人間だ。


 キュータルの必殺アーツ【雲の行進】スペック。


身長2メートル。

体に振れた物理的な攻撃は許容範囲内なら離さない。

体の一部を切り離し遠距離攻撃に使える。

本体から雲を伸ばし接続する事が可能。

時間とともに雲が散らばり薄くなっていき最終的には消滅する。

消滅までの時間は雲を供給し続ける限り延長可能。

召喚した時点で再召喚までのカウントダウンが始まり、6時間後に再び召喚することができる。



「これって切り離してる時命令できる? でござる?」

「できるよー! ただあっちの敵狙って! とかこっちの方に移動して! とかそういう簡単なとこだけだけどね」


 雲人間に絡み取られスタン状態になった敵を切りながらカノエが質問した。

このエリアでは魔法を使って攻撃してくる敵が3種類ほどしかいない。

その他の近接攻撃一辺倒な敵は雲人間に触れただけで動けなくなってしまう。

条件さえ整えば雲でありながら蜘蛛の様な戦法を取れる。それがキュータルの必殺技だ。


「カノっちのも見せてよ!」

「拙者のは数が少ないともったいない」


 数というのは敵の数のこと。カノエは広範囲を殲滅する技を作っていた。

「えーそういってずっと見せてくれないじゃん!」

「見せないんじゃない。拙者にふさわしい場が来ないだけ」


【緊急退避! モンスターの群れが縄張り争いをしている!】

 タイミング良く神託が二人の視界に表示され、モンスターの群れが地面から湧き始めた。

マーマンとシカに似たモンスターによる群れ同士の縄張り争い。

プレイヤーのクリア目標は全ての敵を倒すこと。

両方の群れが残っている内は互いを攻撃するが片方の群れが全滅するとすぐプレイヤーを狙いだす。

退避! というがすでに二人の周りには退出不可の透明な壁が張られ、神託内容とは違い逃げることができない状態だ。


「おっ? ふさわしい場っての来たんじゃなーい?」

「……うん。キューちゃん、やるよ」

「おお!? もしかしてー? カノっちがー? おひとりでー!?」

「一瞬で終わる。見逃したら許さないよキューちゃん……【秘伝忍法・たんぽぽ爆弾の術】」


 両方の群れが生成され、モンスターの無敵時間も解除される。

互いに15体ずつ合わせて30体の敵がにらみ合う。どちらも今すぐにでも駆け出しそうだ。


 カノエの術が発動するのと同時に彼女の左手のひらに導火線の生えたコブシサイズのボールが現れる。

左手にボールを握ったまま右手でパチンと指を鳴らす。するとボールの導火線に火が灯った。


「それがたんぽぽ?」

 カノエの手を見ながらキュータルが聞く。

「種だよ。見ててね」

 頷き、カノエは敵たちの中心地にそれを放り投げた。

ポンッ! 地面に当たりボールから煙が噴き出す。

煙の中から綿毛が飛び周囲に散っていく。


 綿毛たちは飛んだ先で地面に当たるとすぐに根を張り花を咲かせる。

黄色だけではなく赤、青、白などさまざまだ。そして、ボンッ! と小規模な爆発を起こした。


「あの花、土で作った。陶芸術、でござる。土の外側に入るだけ火薬が入ってる。だから近くで見るとわりと大きい」


 花が咲き爆発して綿毛となり新たな場所で爆弾の花を咲かせる。地面だけではなく敵の体にも綿毛が刺さり花が咲く。

一つ一つの威力は小さくともその爆発範囲は加速度的に広がっていく。

そして、その動きはカノエのMPが続く限り止まらない。


 ボンッボンッボンッボンボンボンボンボンボンボンボンボンボンボンボンボンボンボンボンボン。

モンスターの群れが何もできず爆発の中に消えていく。


「ハデハデだねえー! いいねえ!」

「……今は敵が居なくなったしやれないけど、対人で使うなら爆発の目くらましからのバクスタもできるかも。発動した瞬間にヘイト外れた感覚あった」

「おーそういうのもわかるんだ。便利だねーカノっちのRP」

「そう。拙者わかるでござる。視界の左下に今ヘイト向けてる敵の数が出てる」


 カノエのRPアーツは【恥ずかしがりな目立ちたがり】

効果は自身に向けられた注目度を操作する行動への+補正。

彼女が普段行っている以下の行動に補正がかかる。

攻撃を行う・ヘイト量増加。

影へ潜る・ヘイト量減少。

爆発を起こす・爆破地点へのヘイト増加、術者本人へのヘイト減少。





キャラクターネーム

キュータル


所持アーツ

コンバットアーツ


混沌術 Lv3

魔力操作



クラフトアーツ


お料理上手

道具の手入れ

遠隔調理


RPアーツ

好戦的な刹那主義者


必殺技

雲の行進




キャラクターネーム

家ノ右衛門 


所持アーツ

コンバットアーツ


影潜り

発破術Lv4

死角攻撃

投擲術


クラフトアーツ


陶芸術

土こね上手


RPアーツ

恥ずかしがりな目立ちたがり


必殺技

秘伝忍法・たんぽぽ爆弾の術


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