閑話 暗い部屋で
場面が飛んでるのでとても短いです
暗い部屋。狭く小さく硬い部屋。ソレが感じられる物はそれだけだった。
ソレとは青い鎧を全身に纏った女性。少し頭を下げて直立し、目を閉じている。
体には何重にも札の付いた縄を巻き付けられ、故にソレは身動きできずにいた。
その状態で、ただその時を待っていた。近いうちに彼女は開放される。
誰に言われたわけでもない。ただそれだけは絶対の自信をもって信じることができた。
ただ、その目覚めは予定よりもだいぶ早かった。
『待機番号3。ノトリス。目覚めなさい』
女性の声のシステムメッセージ。小さな部屋にその声が響く。
その声をきっかけに小部屋に閉じ込められた鎧の女の拘束が緩んでいく。
縄が全て解け、外からの支えを失った彼女の体が硬い床へ崩れ落ちた。
ガシャガシャッ鎧と床がぶつかる音。
かぶりを振り、右手で顔をぬぐって彼女は前を見上げる。
開かれた目にはハッキリとした意思があった。
「…………んっ── あ゛っ!? なんだ!? どこだここ!? オレはっ」
『ノトリス。外へ出て敵を倒しなさい。貴女にしかできないことです』
「誰だ!? オレに命令を──あっうぅ……」
膝をついたまま天井を睨み、彼女は叫ぼうとした。
だが、その言葉は彼女が下を向いたことで途切れる。
電源が切れたおもちゃのようにガクリと体から力が抜け、再び上を向いた彼女の表情は虚ろな物になっていた。
『ノトリス。外へ出なさい。そして行きなさい』
「……わかった」
暗い部屋の壁の一か所に光の亀裂が入り、外の世界とつながった。
ゆっくりと立ち上がった青い鎧の女性、ノトリスがカシャリッカシャリと足音を立ててそこから出て行った。




