魚の独白
三題噺もどき―よんじゅうさん。
お題:魚・冷蔵庫・外国
皆さん、こんにちは(こんばんは?)
魚です。
何の魚かといいますと、皆さんに食べられる運命の魚です。
今朝方ですね、私が起きて、いつものように泳いでいますと、後ろからあみ(って言うんですか? )に、襲われまして。
周りにいた仲間や友達諸々つかまりまして。
気づいたら、陸の上でした。
息のしづらい事と言ったら…もうほんと死ぬかと思いました。
―いやまぁ、これから死にに、行くのですが。
はい。
それから、1度は水の中にもどされたんですが(何とか呼吸回復)、逃げることも叶わず、また、陸の上でしたね(また呼吸困難)。
その後は、まあ、詳細は省くとして、今に至ります。
なんか、すっごい冷たい場所にいます。
海より寒いかも知れませんね。
海の底の方が、もうちょっと温かみがありましたよ。
確か、「冷蔵庫」(いや、読み方は知りませんよ)という場所でしたかね。
私、一番上にいたのでみえたんですよ。
ごとごと、という聞いたことのない音が響いていましたね。
―と言うか、とりあえず、寒いです。
呼吸ですか?止まってますよ多分。
今意識だけが若干残っててお話しています。
人間の詳しい言葉は分かりませんが、この後、更に寒い所にいくらしいですよ。
私、寒いの苦手なんですよね。(魚のくせにというのは、なしです)
魚にだって、苦手なものはあります。
おや。そろそろ時間みたいですね。
私、この後、外国に連れていかれるそうです。
そのためにさらに冷たい所に行くんですって。
どんな所でしょうね。外国。
皆さん、行ったことあります?
話では聞いた事あるんですけど、実際行ったことないんですよね。
私、泳いで行きたかったですね。
まあ、それも今となっては叶わないので諦めましょう。
暇つぶしに、お付き合い頂きありがとうございました。
わたしのこと、美味しく食べて下さいね。