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これくしょんブック ~ミナモの本棚編~  作者: シャオえる


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21/25

お茶を飲んで一息ついたら

 その頃、アカリの家のリビングのソファーで寝ていたユイが目を覚ましていた。少し寝ぼけながら目を擦り大きなあくびをして、辺りをゆっくりと見渡した

「リリ、そろそろアカリを迎えに本棚の所行こっか」

 と、ソファーから立ち上がりながら、リリに話しかけるが返事は来ず、首をかしげながらキッチンへと歩いていく

「近くにいそうな気配はないなぁ……。アカリと一緒に行ったのかな」

 そう呟きながら冷蔵庫からお茶を取り出し、コップに注いでいると、リビングの扉がゆっくりと開いて、ルカのお母さんがうつ向いて入ってきた

「ルカのお母さん、来てたんですね」

 と、ユイが声をかけると、うつ向いていた顔を少しだけ上げ、ユイを見つけると少し無理矢理ぎみにニコッと微笑んだ

「ええ……。アカリちゃん達は……」

「出掛けたのかな。たぶん本棚を見に行ったのかも」

「そう……」

 と、ユイの返事を聞いてまたうつ向き、ソファーに座りしばらくすると、ユイがお茶を手渡した

「ありがとう……」

 またニコッと微笑みお茶を飲むと、ユイも少し離れてソファーに座りお茶を飲んでいると、玄関からガタガタと物音が聞こえてきた


「あれ、カグヤ。どうしたの?」

 と、リビングを通りすぎようとしていたカグヤにユイが声をかけると、カグヤが足を止め、リビングの方に振り向いた

「ミナモの様子を見にきた」

 そうカグヤが返事をすると、ユイがカグヤの周りを少し見渡しはじめた

「ねえリリ、どこ行ったか知らない?」

「いや、アンズもずっと見ていない。ここで何か食べているとおもったんだが……」

「アンズも見てないよ。じゃあやっぱり、アカリといるのかな……」

 と、ユイが困った顔でそう呟くと、ユイの前に突然ポンッと本が現れた

「じゃあ、どこにいるか見てみる?」

 そうユイのお母さんがそう言うと、本がぱらりと開いて、小さな光がページの上に浮かんで現れた





「どこにも無いっぽい……」

 その頃のリリは、困ったようにはぁ。とため息つきながら、一人愚痴を呟いていた

「ヒカリとアンズの所に戻ろうかしら……」

 と、来た道を振り返りまた一人呟いていると、突然頭にゴンッと何かが当たった

「痛いっ!なんなの!」

 苛つきながら辺りを見渡すと、リリのすぐ側に、さっきまでなかったはずの一冊の本が浮かんでいた

「あれ?この本、誰のだっけ?」

 と、本を取り表紙を見つめ悩んでいると、リリを見つけたヒカリとアンズが近づきながら声をかけてきた

「リリ、やっと見つけた。扉は見つけられたの?」

 と、ヒカリがそう問いかけると、リリが首を横に振る。すると、アンズが困った顔をしてヒカリを見た

「私達も見つけられなかったし……。仕方ない。そろそろ帰りましょうか。アカリ達が心配するものね」

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