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不安を取り除く提案

「ルカの本棚かぁ……。入れるのかな」

 家を出て、一人トボトボと歩くアカリ。その忙しそうに歩く人達の中、本棚の受付へと歩きながら、はぁ。とため息をついた

「ヒカリもいないし、大丈夫かな……」

 そう呟きながら受付まで来ると、ちょうど手が空いていた受付の女性がアカリに気づいて近づいてきた

「どうしましたか?」

「えーと、ルカの本棚に行きたいんですけど……」

「ルカさんの本棚ですか?えーっと……」

 と、アカリの話しに女性が戸惑っていると、ちょうど受付の対応を終えた女性が二人に近づいてきた


「本棚ですよね。今すぐ何か用とかありますか?」

「様子を見ておくようにって言われて……。入れないんですか?」

「そうですね……。アカリさんは……」

 アカリの言葉を聞いて、ちょっと困ったように呟くと、二人顔を見つめあい考え込みはじめ、アカリが不安そうに見ていると、女性が二人共頷いて、ふぅ。とため息をついた

「アカリさんなら、本棚が落ち着くかもしれませんから、入ってもいいですよ。ミナモ君の本棚にも行きますか?」

「行けるんですか?」

 女性の言葉を聞いて一気に笑顔になったアカリ。その笑顔に二人もつられてクスッと微笑む

「ええ、ヒカリと行かなければ多分大丈夫とは思うけど……」

「ヒカリは今、リリと一緒にどこか遊びに行っていないので、今のうちにミナモ君の本棚に行きます」

「分かりました。けど、本や本棚に触れないようにね」

「はいっ!」

 と、大声で返事をするとバタバタと走って行ってしまったアカリ。入り口から出ると、すぐに姿が見えなくなると、近くで三人の様子を見ていた受付の女性達が、不安そうに二人に近づいてきた


「本当に良いの?まだまだ二人の本棚は荒れてるよ」

「まあ、本棚っていうより周りの人達が慌ててるんだけどね」

 話しかけられ、苦笑いでそう返事をすると、つられて周りも苦笑いをする。すると、アカリと話をしていた女性が、机に置かれていた資料を手に取り、くるりと振り向いた

「まあ、本棚の様子を見れたら、少しはアカリちゃんの気が紛れるなら良いんじゃないかな。それより、私達も二人の本棚に行くよ。様子を見ないとね」

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