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ため息ついて後を追う

「アカリ、何をしてる?」

 ノドカから話を聞いた後、廊下をウロウロと動き回るアカリに、ミツキが少し呆れた様子で声をかけた

「えーと、ルカの部屋にも入りたいし、でもミナモの部屋にも入りたいから、それで……」

 エヘヘと苦笑いでアカリが返事をすると、ミツキがはぁ。とため息をついて、また話しかける

「ヒカリとリリは?」

「さぁ、遊びに行ったのかな。ユイさんはいないの?」

「ユイはリビングで落ち込んでいる」

 そうミツキが言うと、アカリがちらりとリビングを見ると、ソファーでクッションを抱きしめ横になっているユイがいた。アカリが声をかけようとしたその時、ドタバタと慌ただしく誰かが家に入る物音が聞こえてきた


「ルカ!」

「あっ、ルカのお母さん。こんにちは」

 息を切らしてきたルカの母親にペコリと頭を下げ声をかけると、アカリの姿を見て、少し胸を撫で下ろしたのか、ふぅ。と深呼吸をした

「こんにちは、アカリちゃん。ルカは?」

「部屋で寝てますよ」

「入ってもいい?」

「はい。でも部屋で術は使わないようにってお父さんが……」

「分かったわ。ありがとう」

 アカリがルカが眠る部屋の扉を開けると、ベッドで寝息をたてて眠るルカを見るとすぐ、ルカの隣に行き心配そうに頭を撫でる。その様子を見て、アカリがそーっと部屋の扉を閉じた


「じゃあ、私はミナモの部屋で様子を見ておこうかな」

 と、アカリがミナモの部屋に行こうと歩きだすと、ミツキが後ろ姿を見ながら話しかけた

「いや、それはユイに任せて、アカリはこっちの用事を頼む」

「用事?」

「ルカの本棚に行って、しばらく様子を見ていてほしい」

「良いけど、大丈夫なの?」

「まあ、本棚に意地悪しなければ大丈夫らしい」

「意地悪なんてしないもん」

「アカリはな……」

 そう言うと、ミツキがはぁ。と深いため息をついて、ユイを起こしにリビングへと歩きだした





「本棚の中に行くの?」

「ええ。サクラとモナカの様子、だいぶ気になるからね」

 その頃、ヒカリの本棚の部屋では、リリとヒカリが二人で何やらヒソヒソと話をしていた。一通り話を終えたのか、ヒカリがふわりと浮かんで部屋の奥へと進んでいく。すると、その後ろ姿を追いかけていくリリが、ため息混じりに声をかけた

「それなら、一緒に行くわ。あなた一人だと本も本棚も全て壊してしまいそうだものね」

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