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献上品の行方


「アコちゃん大丈夫かなぁ?」


「ミゲルさんデリカシーなさすぎですよー。」


「だって本当だろ?」


「年頃の女の子なんだから、もっと気を遣ってやりなよ。嫌われるぞ。」


 アサヒ達はそんな会話をしながら、チョコレートの試食をつづけていた。


「まぁアコの事は置いといてよ。チョコレートはこれで良いと思うが、こっからだな。どうやって売り込むかだよな。」


「つっても実績がないからなぁ、いきなり国王んとこ行ってどおですか?ってわけにはいかないだろ。」


「そうすっと品評会に出してってなるけど、そんなん待ってらんねぇしな。」


「う〜ん……。」


 頭を捻るアサヒ達、そこへガンツォが現れたのだった。


「おっす。お菓子作りはどおだ?アサヒ」


「あぁ完成したよ。皆んなに食べてもらってこれでいく事になったよ。」


「俺にも食わせてくれよ。」


 ガンツォはチョコレートを一粒つまみ口に放り込んだ。


「へぇ、甘くて苦いなんて珍しいな。酒の風味もあっていいじゃねぇか。酒のアテに良さそうだな。」


「うん、まぁお菓子は出来たんだけど、それをどうやって売り込むかが問題なんだよね。」


「あ?簡単だろ、そんなの。」


「え?」


「サマンサ姉に頼みゃあいいんだろ?だって貴族だしよ。あのレイモンドってのもそのツテでクバルで商売してるんだろ?」


「そうか、レイモンド卿を仲介役にできれば国王や上手くすればフィルモアに売り込みに行くって事になるかもしれねぇよな。」


「ありがとうガンツォ。なんとかなりそうだよ。」


「おう、ところでアル達の方はどおなってんだ?」


「うん、今は道作りの下見に森に行ってもらってるんだけど、そろそろ帰ってきてもいいはずなんだよね。」


 そう、アサヒがチョコレートを完成させていたその頃、アルとアルマ達は野獣達との出会いと戦いを終え、アルマはその報告の為にクバルに向かっていたのだった。


 そしてJもジェイクの勧誘を成功させ、帰途についていた。


「んじゃ、売り込みの方は明日サマンサさんに聞くとして、今からチョコレートをたくさん作らないとな。」


 そして、チョコレート作りもひと段落したのだった。

 次の日、アサヒはサマンサを訪ねていた。


「こんにちは、お忙しいとこすいません。前に話してたお菓子が出来たので試食をお願いしたくて来ました。」


「そうでしたか、私も楽しみにしておりましたの。どういったお菓子なんですか?」


 昨晩作ったチョコレートを箱詰めし綺麗に包装した小箱をサマンサに差し出すアサヒ


「こんな感じで、包んで販売しようと思ってます。どうぞ開けてみて下さい。」


 サマンサは包みを剥がすと蓋を開ける。

 丸や四角の形に固められたチョコレートはフルーツの砂糖漬けやナッツが飾られ、茶色のチョコレートと赤や黄色のフルーツのパレットの様であった。


「あら可愛いらしい。目も楽しませて頂けるのですね。それでは、お味の方はどうかしら。」


 四角に形づくられた艶のある茶色の塊、その上部には砂糖で煮て固められた一欠片のフルーツが添えられた一粒をつまむと、サマンサは口にほうばった。


「まぁ、これはコクアですか?なんと上品なお味かしら、ほろ苦さと香りと甘さがとっても良いバランスで、中のフルーツのコンフィも良いアクセントになってます。とても美味しいですわ。」


「ありがとうございます。チョコレートはこれで完成です。ただ…」


「そうですね、売り込みですよね。実は私の方でもそちらも考えておりまして、これほどの物であれば問題なくキルマーで売り込みできるでしょうし、あわよくばすぐにでもフィルモアに持って行く事もできるかもしれませんよ。」


「そうなんですか?」


「チョコレートの用意は出来ておりますか?」


「すぐに出来ます!」


「分かりました。早速手配いたします。」


 サマンサは、チョコレートをクバルの名産品として売り出す事を決めたのでした。そして王都キルマーの貴族であり他国との貿易を生業にしているレイモンドにこのお菓子の売り込みを依頼するのだった。



 数日後、アサヒあてに手紙が来る。


「サマンサさんから連絡きたっスよ。はい、手紙っス。」


 アサヒは、Jと共にジェイクを連れてフェイロンを訪れ帰って来たところへピーターから手紙を受け取る。


「チョコレートの事っスかね?」


「上手くいくといいんですけどねー。」


 手紙の内容は、レイモンドからの返事は、まずチョコレートの実物を見たいとあり、評価次第では近々フィルモアへの渡航時に持って行く事も検討するとの事であった。


「よしっ、きっかけは出来たぞ。上手くいけばすぐにでも海を渡れるかもだ!」


 翌日アサヒはサマンサを訪れた。


「お手紙見ました。ありがとうございます。上手くいけば早々に海を渡れるかもしれませんね。」


「はい、クバルとしても新しい名産品の売り込みが成功すれば、とても喜ばしい事です。レイモンド卿は早めに実物をみたいとの事でしたが、いかがされます?用意が出来るのであれば明日にでも、レイモンド卿を訪ねてみますか?」


「はいっ、チョコレートの用意は出来てます。早速明日行かせてもらいます。」


「分かりました。では私も同行致しますね。」


「何から何まで、本当にありがとうございます。よろしくお願いします。」


 そしてアサヒは、レイモンドとの会談の為チョコレートの用意と初めての王都キルマーへの旅の支度をするのであった。


 閲覧ありがとうございました。


 先週からの引き続きですが、投稿ペースが遅くてすいません。

 しばらくこんな感じですがお付き合いお願いします。

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