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「話は終わったか?」
さっきまでいなかった空間に、いつの間にか妖精が姿を顕していた。こいつは……。
「いたの、ジェノ」
「空気を読んで隠れていたのさ。感謝しろ」
「…………」
「盗み聞きなんて、悪い妖精さん」
三日月が指を鳴らすと銀色の鎖が出現し、ジェノの小さい体を縛り上げた。
「いたたたたたた!!おいっ!!放せ!!」
「反省して下さいね……」
そう言って手を振ると鎖はまた消えていく。案外容赦しないんだな、この子……。さっきは妖精可愛いとか言ってたのに……。
「人間怖すぎだろ……」
いや、この子が怖いだけだと思うが……。
「それで、これからどうするの?」
私がそう言った瞬間、ぐぅー……と気の抜けた様な音が部屋に鳴り響いた。これは……言うまでもなく、私の腹が食べ物を寄越せと訴えているのだった。
「……ご飯の用意をしますので、その間に玖音さんはお風呂に入って下さい」
「はい……」
さっきまで死にたいとかなんとか言った癖に、それでもお腹は空く自分が恥ずかしい。人間の体は正直だ。
「覗かないでね」
風呂に入る前に妖精に釘を刺す。さっき透明になってたし、何をしでかすかわからない。
「ああ?ヒトの体になんて興味ねーよ。しかもガキの貧相なよぉククク」
「ジェノちゃん?躾が必要ですか?」
「わかったわかった、躾はいらねー!!」
なんとなく、三日月に逆らえなさそうなジェノが少し可笑しかった。




