3
声がした方を向いて、その姿を視認する。音の高さからして声の主が少女だというのには気付いたが、最初に目に付いたのはその銀色になびくツインテールだった。そしてこれは、ゴシックロリータ……と言われる、所謂ゴスロリ系統のワンピースだろうか。私もよく詳しくはないが、多分そんな気がする。首にはチョーカー、下は黒のニーソックス。顔はまだ私とそんなに変わらないぐらいの幼さだと思うが、やや吊り目で切れ長の瞳が特徴的だった。背丈は自分よりも小さそうだろうか。何だろう。お人形さんみたい、そう思った。私は人形遊びをするような子供ではなかったが。それでも、そういう物に対して可愛いといった感情を抱く事はあった。可愛い。多分、この少女は端から見たらその可愛いと思われる部類の外見だ。
「ん……ん」
何か言葉を返そうと思ったが、やはりこの状態ではまともに口を動かす事すら出来ない。
「…………私の話を聞く気があるなら、ゆっくりと瞬きを一回して下さい。そうじゃないなら連続で二回」
拘束されている以上、身振り手振りでは伝えれないもんな。話は聞くしかない。状況を把握しない事には何も始まらない。今から私に危害を加えるつもりもなさそうだし。もしそのつもりなら、既にやっているだろう。私は、ゆっくりと瞬きをする事にした。
「……わかりました。じゃあ口の拘束を外しますから。絶対に舌を噛まないで下さい。絶対ですよ」
念を押す銀髪美少女。舌を噛まないで…………自殺防止だったのか、これ。………………。
彼女によって口に嵌められていた器具が取り外される。だいぶ息が楽になった。これで、喋れる。
「えーっと……。助けてもらった、でいいのかな」
「まぁ……はい」
「じゃあ、ありがとう」
「…………」




