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魔法少女BLOOD  作者: 佐月雨
第4夜 会者定離
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9

「終わりだねぇ」


「ま……だ……、終わっ……て……な……」


「往生際が悪いのは恥だよ」


古神が空洞になった私の体から刀を引き抜こうとする。が、私はそれを許さない。魔法の杖は既に右手から離れていて、空になった手で古神の手首をしっかりと掴む。


「……?」


その直後、私の体はベランダの外へと投げ出される。掴んでいる彼女の手と共に。私がもたれていたベランダのコンクリートがさっきの『虚空』の衝撃で崩壊したのだ。古神は当然、踏み止まろうとするが、体は言うことを聞いていないようだ。それもまた、当然。


「あれ……?足が…………」


「私の初撃は……『カーフキック』、という技……でね。まともに受けると足は機能しなくなる……。流石、魔法少女だけあって……よく持ってた方だと思った……けど」


遂に、古神の体は私と共に宙に投げ出された。


「おい、放して」


「死ん、でも……殺すって……言ったはずだ……」


「全く……!『飛行』だ……!! え………あ………?飛べないッ!? 何で……!?!?」


飛べる訳がない。『飛行』の浮力に対する『反射』をセットしている。『反射』の魔法なら、一度使ったから応用出来ると思っていた。


「放せ、放せよ!!ふざけるなッ!!クソッ、こんなところで、私はぁッーー!!!」


落ちる、落ちる、重力に身を任せ、落ちていく。横ではなにやら古神が吠えているが、もう何も耳に入ってはこない。

既に思考も虚ろで、ただ、落下しながら見上げる満点の星空が綺麗だなと思った。


地面が近付いてくる。いかに頑丈な魔法少女でも、直撃なら多分、死ぬだろう。じゃあね、古神。願わくは、そのまま地獄に落ちる事を。


地面に激突する0.5秒前、掴んでいた古神の腕を解放してやる。そして私は自分自身に『反射』の魔法を行使。私は『飛行』魔法は使えないが、自身の重力に対する『反射』なら、宙に浮く事が可能だと予想出来た。

えっ?とでも言いたげな滑稽な顔と共に、古神の体は硬いアスファルトに叩きつけられ、ぐちゃぐちゃになった。

自分への魔法も解除し、地面に倒れる。もう身体は限界を越えていて、動けない。


「お前、死ぬぞ。魔核を回収しろ」


妖精、か。

ぐちゃぐちゃになった古神だったモノに辛うじて手を伸ばし、念じてみる。そうすると白い光の様なオーブが私の体に入っていった。


仇は取ったよ、母さん。巻き込んでしまってごめんなさい。どうか、安らかに眠って。私も、すぐに逝くから。

心残りは一つだけだ。結局藤花を取り戻す事が出来なかった。でも、十分頑張ったよね?私なんかが居なくても、藤花は生きていける…………。私の人生は、一体何だったんだろう…………。あぁ、景色が霞んでいく…………。私は、目を瞑る。深くて暗い闇が、押し寄せる。目を開いている時と、閉じている時の違いは何だろうか。そこに、何の違いがあるのだろう…………。もう、何も考えられない…………。さようなら、藤花。さようなら、さようなら…………。私の意識は、そこで途絶えた。

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