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絶え間無い連撃の嵐が降り注ぐ。直撃こそしないが段々と斬られる回数も増えていく。失った血のせいで、体の動きが鈍くなってきていた。頭もはっきりとしない。視えているのに、反応が遅れる。そもそもこの狭い部屋の中では逃げ場がない。受けている側の方が圧倒的に不利だ。
斬撃を避ける中で自分の眼について少し理解が追い付いていた。恐らくあの現象は元々良かった動体視力が、魔法によって極限までその効果が高められた結果の産物だろう。ジェノが言っていた、魔法の性質とやらはここに作用しているらしかった。時が止まって数秒先の未来が視える現象はこの『超動体視力』によるものだという事。視え過ぎる眼は、先の先まで未来が映し出される。『未来予知』、というよりこれは……。
「その眼、かな。さっきから攻撃が当たらないのは」
「……何でも斬れる刀でも、当たらないと意味がないだろ」
「そうだね。だけど、そろそろ終演かな」
その言葉通り、気付けば段々、段々と部屋の奥に追い詰められていた。古神の右斜め上からの切り下げを避わすと、後ろのガラスが粉々に砕け、更に私はベランダへと後退する。ひゅう、と夜の冷たい風が頬を撫で、手すりの鉄筋の感触が背中越しに伝わってくる。ここはマンションの13階。落ちれば死は、免れない。




