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「じゃあ魔法少女って何?私たちは何に巻き込まれたの?」
「この世界にはお前達人間の世界とは別に、妖精郷という世界が存在している。妖精郷と人間界は通常決して表向きに交わる事はないが、その実、密接なバランス関係によって繋がっている。だがしかし、数百年に一度、二つの世界の境界は失われる」
「何で」
「何故だと思う、玖音。悲しきかな、お前だよ、お前たち人間のせいなんだよ、これは。さっき二つの世界は密接なバランス関係の元に繋がっていると言ったが、それは言葉通りの意味で、片方の世界が滅ぶともう片方の世界も滅びてしまう。妖精郷には『マナ』という資源があって、それによって成り立っているんだ……あぁ、人間界ではエネルギーと呼ばれているモノの総称だ。地球に存在するマナは有限であり、無限ではない。が、お前達人間がマナを過剰に消費するせいで妖精郷のマナが枯渇している。妖精もマナを使うが、それは人類の比にならないぐらい少ないというのにな。つまり、妖精郷はマナの枯渇によって滅びかけているし、それによって連鎖的に人間界も滅ぶという事だ」
「えーっと……よくわからないけど、人間が悪いのか。それは悪かった」
「お前に謝って欲しい訳ではない。しかし玖音、お前は自身の働きによって人類の誠意を示す事が出来るのだ」
「というと?」
「妖精郷にはマナを復活させる手立てが存在する。契約によってマナを体内に取り組んだ特定の人間は『魔力』を発現する事があり、それが魔法少女と呼称されるモノの正体だな。そしてその『魔力』で『器』を満たす事によりマナのバランスは再生する。『魔法少女』とは、その一端を担うシステムの名称だ」
システム、か。いいように使われているだけな気がしなくもないが。
「それをやるのが私たち少女じゃないと駄目な理由は?」
「お前たちの年代がマナから魔力への変換効率が圧倒的にいいからだ。契約の時に説明があったと思うが、魔法少女の素質ってのは心の内に飼っているバケモノの大きさで変わってくるもんでな。その素質がある人間は大抵不幸な奴しかいないが……。要するに、その年頃の少女の血が一番濃いんだよ……ククク」
嫌な笑い方をする。




