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昼休みになり、美琴と二人、昼食を取る。
「そういや、昨夜も出たらしいよ」
「……何が」
「魔法少女!」
「へぇ……」
「しかもね、この近辺で出たらしい。ヤバくないかね」
「…………。ごめん、魔法少女とか興味ないからもうやめて」
「えっ、あ、ごめん、わかった」
「………………」
それから、全く頭に入らない授業を聞きながら学校を終えた。
「藤花、明日は来れるといいね~」
「そうだね」
「玖音も風邪気を付けなよ!」
「ありがとう。美琴は……風邪引かなさそうだね」
「含みがある言い方だな!でも確かに引いたことないかも?」
「ははは……。じゃあね、美琴」
「バイバイ!」
美琴と別れ、一人帰路につく。行きも帰りも一人だなんて久しぶりだ。車椅子を押していない事が逆に違和感であり、なんだかそれだけで手持ち無沙汰に思う。最早あの車椅子のハンドルは私の手足の一部みたいなもので。
一日藤花に会えないだけでこんなに落ち着かない自分に苦笑した。
13階立ての高層マンション、その最上階のエレベーターから一番近い部屋が私の住んでる家だ。母さんは仕事。父さんはいない。兄妹もいない。
今日は母さんが帰ってくるのが遅い日なので、夕食の用意をしなければならないのだが、なんだか今朝から気だるいし、部屋で一休みしてから取りかかることにする。
がちゃり、と自室のドアを開ける。
「ん?帰ってきたか。チッ、めんどくせーな」




