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「藤花!!!」
「ただいま、玖音」
変わらない笑顔が、そこにはあった。
って、ん…………?
「藤花、あ、足」
「ふふ、自分で治したのよ。玖音が世話してくれるから車椅子生活も悪くはなかったのだけれど。やっぱり自分で歩けるに越した事はないものね?」
「そ、そう……。じゃなくて。妖精、まさか、お前」
「あぁ、彼女を救うにはこれしか方法が無かったんです。なってもらいましたよ、魔法少女」
「お前…………。契約って確か、死ぬかもとか言ってたじゃないか」
「いや、それはないです。彼女の場合に限っては、ですけど。というか、魔法少女になっていなければそもそも助かっていなかったですし」
「話が違うッ……!!」
「怒らないで、玖音」
「……………じゃあ、死のリスクってのはどういう意味だったんだ」
「単純に、魔法少女の契約に失敗した人間は妖精の血に体が耐えられず崩壊するんです。私が死のリスクと言ったのは、"アナタ"だから、ですよ玖音さん。アナタ、平凡ですもん。アナタの人生も、アナタ自身も。今まで何一つ不自由なく生きてきたでしょう?魔法少女に適正のある人間は、誰しも心にトラウマを抱えているものなんです。適正のない人間ならそこで死んでいただけ、というお話です」
「…………」




