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学校に着き、一限目まではまだ少し時間はあったが、授業の準備をしておく事にする。朝一から私の嫌いな数学だなんてツイてない。昨日習った所も理解出来てるか怪しかったし、成績優秀な藤花先生に改めて教えを乞わねばならない。藤花は学校生活で不自由させないように私の右隣の席に配置してもらっているのだが、実際のところ勉強面で自分の方がずっと世話になっているのであった。
予鈴が鳴る。それと同時に慌ただしく教室に駆け込む生徒がいた。
「藤花、玖音、おはよ!」
「おはようございます、美琴ちゃん」
「おはよう、美琴」
七原美琴はいつも遅刻か授業開始ギリギリにやって来る。
寝癖なのか癖毛なのか微妙なラインの無造作ヘアーの彼女が藤花の一つ前の席につく。
こいつに藤花の世話を頼んだ覚えはないが、毎回私達の近くに席替えしてくる辺り、何らかのコネを使っているんだろう。
「今日は遅刻しなかったんだ」
「それがさ、あと30分は寝たかったのにこれ以上遅刻したら内申なくなるよって母さんに叩き起こされちゃった」
「テストの成績が悪いだけじゃなく、内申点まで悪いってなると行くところないよ、美琴ちゃん」
「辛辣だよぉ~~」
「辛辣だけど的確な意見だと思うよ……。そんな寝足りないなんて夜更かしし過ぎなんじゃないの?」
「夜更かしはお肌に悪いよ、美琴ちゃん!ほら、こことかちょっと荒れて……」
「やめてぇ!!」
藤花の美琴弄りは今日もキレキレだな……。
いざ自分が弄られるとたじたじになってしまうが、人の様子を見る分には面白いのであった。