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気付けば帰路は横断歩道で、信号は赤。
「玖音、聞いてる?玖音!」
「ん、あぁ、何?」
「もう、玖音ったら!全然聞いてない!」
「ごめんごめん、ちょっと考え事してた」
「全く……!ジュースでも奢って貰おうかしら」
「そうだな……じゃあ明日、藤花が勝ったらね」
「ほんと?明日は本気出すわ!」
「おいおい、今まで本気じゃなかったのかよ……」
「ふふふ」
我が幼馴染みながら、底が知れない……。思考の読みにくさも藤花の強みの一つだった。
「じゃあ、私が勝ったらどうしよっか」
「あー、それは全く考えてなかったよ……」
「おい」
「うそうそ!何がいい、玖音?」
「勝った事がないんだから、ジュース程度では物足りないなぁ」
「意外と強欲……!」
「そりゃそうでしょ!」
信号が青に変わった。自分が勝った時の、そんな絵空事を考えていたら、藤花が先に進んでいた。
「じゃあ玖音が勝ったら……」
私が勝ったら……?そんな眩しい未来に思いを馳せる。
そして、、、。
どんっっ、と鈍い音が、耳に残った。
「え…………?」
目の前で藤花が倒れている。辺り一面が鮮血に染まっている。歪む、歪む、目の前が歪んでいる。
なん、で…………?
「あ、あ、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」




