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「説明は聞きながら戦って下さい」
「無茶苦茶な……」
さっきから無茶苦茶続きだ。いい加減にして欲しいが、愚痴る余裕もない。霧江かなみ、という名前らしい彼女が口を開く。
「……契約したのか。お前みたいな能天気そうな奴でもなれるんだな、魔法少女は」
「どういう意味だ」
「知る必要はない。どうせ、ここで死ぬ」
少女が再び手を翳す。
またあのエネルギーが右手に集約していく。
「避けて下さい!」
「言われなくてもッ!」
あの光が放出された瞬間_____。
今だっ!
甲高いぱぁんという音と共に私の体が後方に吹き飛ぶ。
受け身も取れず、もろに衝撃をくらう。痛い。
「避けれると思ったか?さっきのは油断しただけだ。同じ魔法少女でも私とお前とではスペックが違うんだよ」
霧江の言う通り、さっきとは段違いの速さの攻撃だった。スペックが違うというのはどういう……。
「うん、思っていた以上に力に差があるみたいですね。このままだと殺されますよ」
「さっきから協力する気あるのか……?」
「勿論ですよ。今から言う事をよく聞いて下さい」
「あぁ」
「まず、あの魔法少女霧江かなみに戦闘で勝つ事は現状不可能です。なので、逃げるしかありません。ボクは今からあの車椅子の少女を蘇生するので、アナタは出来るだけここから遠くに離れること。もし逃げきる事が出来たら、それだけでアナタの勝利と言ってもいいでしょう」
結局逃げるしか出来ないのか……。折角魔法少女とかいう存在になったというのに情けないな。でも、それしか方法がないのなら。
「やるよ、逃げきってみせる」
どこまで持つかわからないけど。時間稼ぎでもいい。やれるだけ、やってみるさ。




