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「良い答えです。ちなみに、契約しても魔法少女になれるという保証はないですので。失敗するケースもあります」
「はァ!?」
こいつ、絶対性格悪い。
「あなた、名前は?」
「玖音、九杖玖音!」
「玖音、良い名前です。それでは玖音さん、契約の為に血を一滴頂けますか」
血なら丁度、右手から垂れ流しだ。
「これでいいか」
「結構」
手の甲を差し出すと、妖精がパチン、と指を鳴らした。フェイの指から血の球体が出現し、私の負傷した部分の血液と混ざり合った。すると不思議な事に、その結合した場所から血が溢れだし、その血液は檻となって私を纏う。そして檻は縮小して再び私の体に張り付いた。
「契約完了」
瞬間、針の様な何かが脳を刺激し、電流が全身を駆け巡る。熱い、血が沸騰しているかのように全身が熱い。酷い頭痛と目眩が襲いかかり、立っていられない。
「あ、あ、あああああああああああ!!!!」
実際には数秒でしかないであろうその時間は、永遠にも等しいぐらい長く感じられた。
苦しい、苦しいが、この程度で藤花を助けられるのなら。あの子の痛みはこんなものじゃない。私が頑張らないで、誰が頑張るんだ。誰が藤花を救うんだ。今度こそ、私が、私が……………。
気付けばまだ体は熱を帯びているものの、頭痛は無くなり、代わりに不思議な感覚が体を包んでいた。
「なんだ、これ……」
「ふむ、どうやら成功のようですね」
「失敗したらどうなってたんだ……」
「その場合は死のリスクがありました」
「お゛い」
もしかして私、今殺されそうになった?でも、今死んでなかったとしてもさっきのアイツに殺されたら一緒か。ってそういう問題じゃない。多分。
「玖音さん、来ますよ。戦闘準備を」
「戦うってどうやって!」
返答の代わりに、激しい突風が襲いかかる。
そして目の前には再びあの黒いフードの少女が立っていた。




