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第八十七話 カキ氷 

「ミュウ、頼む」


「任せてください。氷魔法は得意なので」




 当たり前だが、グレートデザートは暑い。

 夜は寒いが、昼は一年中暑い。

 海ができたのでこれから少し和らぐかもしれないが、今はとにかく暑いので、私は『ネットショッピング』で購入したカキ氷機を用い、フワフワのかき氷を作っていた。

 業務用で二十万イードルク近くしたが、これが氷をフワフワに削れて実にいいのだ。

 子供の頃に食べたガリガリのカキ氷もたまには悪くないが、どんな食べ物も時代により進化するもの。

 どんなにいい製氷機を用いても氷ができるのに時間がかかるが、氷魔法の達人であるミュウに任せれば、牛乳やマンゴーなどのフルーツを凍らせて削った台湾風のカキ氷ですら短時間で作れてしまう。


「イチゴを凍らせて削り、練乳をかけたイチゴカキ氷。これは素晴らしい」


「ララベル様、私は凍らせた豆乳を削ったものに、白玉、アンコ、抹茶、黒蜜をかけた大人の一品ですよ」


「オレは、凍らせたマンゴーを削ったものに、練乳、マンゴーソース、バニラアイスをふんだんに盛り付けたやつだぜ」


「私は、杏仁豆腐を凍らせたものを削り、バニラアイス、練乳、ブルーベリーなどをのせたものです。タロウ様は?」


「甘くした抹茶を凍らせて削り、粒あんと練乳をかけて食べる。これはいい」


 もうイチゴとか、メロンとか、レモンとか、ブルーハワイとか。

 そういうお子様なカキ氷は卒業しよう……そのうちリバイバルブームが到来するのは人間の業だけど。


「……やっぱり、○○○○君も美味しい!」


「そうだな。やはりどんなに高級なアイスクリームや氷菓、デザートを食べても」


「○○○○君は無敵ですよね」


「特にソーダ味は至高ですとも」


 俺、ララベル、ミュウ、フラウ、アイシャは、砂獣討伐のあと、オヤツの時間、食後のデザートと。

 よく『ネットショッピング』で購入して食べているからな。

 ちょっと前に、『ネットショッピング』上において○○○○君の定価が上がった時のことだ。

 それがたとえ、六十イードルクから七十イードルクでわずか十イードルクの値上がりだとしても、砂獣を虐殺レベルで倒して稼いでいたとしても、とても物悲しかったのを覚えている。

 でも、コストに気を使って頑張っているメーカーの人たちのことを考えると……結局いつもどおり購入していたけど。


「セコイゴリね。ゴリは、バナナのカキ氷で。チョコレートソースを載せてほしいゴリ」


 ゴリさんタウンの管理を一手に担うゴリマッチョが現れ、なに食わぬ顔でバナナのカキ氷を注文していた。

 こいつは、心からバナナが好きなんだな。

 チョコレートソースがけは美味しそうだな。

 今度やってみよう。


「タロちゃん、私はメロンの味のカキ氷ね。氷は普通のやつで。でもフワフワに削ってね」


「タロウさん、私はコーヒー味のカキ氷をお願いします」


 すっかりゴリさんタウンに定着した海の女神たち、マリリン様とウリリン様もカキ氷を所望し、この日はみんなで楽しくカキ氷を食べたのであった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 追い付いた!楽しく読ませて貰ってます!! [一言] ガリ●リ君はたまに凄い味付けのが出るのがね……
[良い点] 寒くなってきたこの時期にガッツリ冷たいの食ってるのはさすがに羨ましくねぇな(笑)
[一言] 現実が10月に入って肌寒くなってきたのに季節ズレテルー と思ったけど、 作中世界は一面砂漠の常夏ならぬ灼熱の大地でしたね。
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