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当たり前だけど禁止 Side : AdME Dukedom (3rd force)

 そんなろくでもない五人が私の部屋に集まっている。

 わりと政治絡みでも仕事を振られてることの多いこいつ等だから、全員が揃ってここに居るのも実は珍しいくらい。

 普通に優秀なんだよ、みんな。


 セレーナが一人で別次元だけれど。それをおいても五人全員、破格の能力とスキルを持つ。

 それが私と惣太郎の直属配下である女神挺身隊。


 基本的に私と惣太郎のやることには文句を言わないし、二人に絶対の忠誠を誓ってくれてもいる。

 政治やら経済なんかなにも知らない私と惣太郎を、それでも国民が支持する理由は。

 だから、それは主にこの五人が“御主人様”。として持ち上げてくれるからだと思ってる。


 ――こんなすごい連中が付いているなら、あの二人はもっとすごいはず。


 多分、国民はこんな感じでナチュラルに誤魔化されてる。

 五人とも、図抜けているのは戦闘能力だけじゃないからね

 そう言っちゃうのは悔しい気がするけど、見た目も良いんだよ。


 二度見必至の儚げな美少女

 清廉清楚で礼儀正しい美人メイド

 中性的で優しげな顔立ちなのに、目つきから野生があふれる脳筋男子

 見た目も話してもつかみ所の無いメガネの高身長優男

 明らかにローティーンで病弱そうなのに色気さえ漂う少年


 ……男女問わず。人気が出ないはず、無いよね。これ。


 こうしてみると、平凡を絵に描いた様な惣太郎もふくめて。

 私が“バリエーション”を広く取ってるようにも見えるな。……主に性的な意味で。 

 ま。全員が全員、人としては少々問題があるけれど、そんなのは言わなきゃわからないし。


 公王が、あえて目立つところに彼らを置いてるのも良く分かる。

 自分が直接見えなくなるから政治がやりやすくなる、カモフラージュとしては最高だ。

 流石は下衆を極めたおっさん。



 気になるとすれば。

 最近情報が出回ってわかったことだが、裕利君に付き従う侍従達。


 彼女等の立ち位置やキャラが、ウチの連中と微妙に被ってる。

 全員インコンプリーツなのはそうだけれど、その他の事も。

 なんか似てるけど絶妙にわざと“ズラシ”てる。みたいにも見える。


 なにを気にしてるかと言えば。

 向こうもこっちもみんなインコンプリーツ。

 だったら何もしなくたって不幸な半生なのは、聞かなくてもわかりきってる。

 引っ掛かるのは、女神がむこうに合わせるために、何かをした、今もしてるんじゃないか、ってこと。


 もとから不幸の展示会みたいな人生の彼ら。

 そんなどうでも良い理由で、さらに非道い目にあってきた。

 なんて事だったら、もはや顔さえ見れない。  

 

 私が気にしてることを、あの腐れ女神はきっと気が付いてる。

 でも、聞いたところで面白がるだけで、なにも教えてはくれないだろうし。

 そもそも。流石にこれは、恐ろしすぎて女神になんて聞けないんだけど。




「レディ、だいたい話からいって僕の……」


「ま。おっさんの話はおいといて」

「おい! 扱いが非道くないか!?」


「おいといて。……えーと、セレーナ?」

「はい、お姉様」

「わかってると思うけど改めて。身内に対して許可なく拷問するのは、当たり前だけど禁止だからね?」


「身内の定義が曖昧ですが、かしこまりました。これ以降、身内と見なすものへの拷問については、お姉様の許可の元に行うこととします」


 絶対しないからね、許可。

 

 待てよ。以降、つったな? コイツ。

 なら。今までって、……どうだったのっ!?

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