表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
359/470

できるかぎり階段を使いましょう【総務部 施設管理課】 Side : Yuri's buddy "Alice"

「そのままでいいそうだ、繋いだままにしてくれ。あとでまた連絡する。――さて」

 フレぴょんが、かがんでスニーカーの靴ひもを結びなおす。



 実はみんな。靴屋さんから、最新のハイテクスニーカーを”借りてきて“いたりする。

 運動部でもない限り、一足が四八,〇〇〇円(税別)のシューズなんか、買わないよね。

 軽いうえに履き心地もやたらいいけど。ホントはどんなスポーツするときに履くやつなんだろ、これ。


 しかも全員お揃い。

 ブランドに種類、色まで。

 みんな同じなのは。全員、裕利君が”借りてきた“ヤツと同じものだから。


 その辺、みんな女の子だよね。

 ……やっぱり、気になる彼とお揃い。ってちょっと嬉しい。

 もちろん、今のところ私も同じのを履いている。

 コミュ障だってお揃いが嬉しいのだ。



 一応、(ストーキング(どうこうちょうさ)をしていたので)知ってはいたけど、スニーカー、好きなんだね。

 彼が普段履いてるヤツも、地味に税込みで一万円を超える。


 各お店では、あまり高いものを手に取らないようにしてた割に、スニーカーだけはまっすぐに行ったしね。

 あえてハイブランドじゃなくて、シューズメーカーの棚に行くあたり、完全にマニアの行動だった。



「アリス。……何か持っていくものは?」

「お水のペットボトル。……あと、ヘッドフォン。2個出して」

 

 イヤホンは三台まで同時接続可能だったはず。

 マイクの扱いってどうなるんだっけ。


「耳に入れるやつ、だったな、どれが良いとかあるのかや?」


 ――昨日のうちに全部、充電してあるからどれでもいいよ。

 裕利君がいなくても。帝国が何をしに来たのか、確認しなくては。

 私だって救世主一行の一員なのだ。




『アリス、フレイヤ様。聞こえてる?』

「儂は大丈夫だ」

「……私も、聞こえてる」


『なんか不思議だね、こうやってお話しできるの。……今のところは廊下には誰もいないけど、そこの角を曲がるとエレベーターの前まで カメラが(みえ) ないから曲がるとき、気を付けて』

『ババァ、聞こえてるな? マイスターは今だ移動中だ。アマゾネスのマイスターと接触したら、私から連絡する』


「双方あいわかった。――今のところ人の気配はないが、なにかしらの魔導検知を展開している可能性はあるな。……ふむ、魔導の気配もない、か。アリス?」

「……行こう」


 私とフレぴょん。耳にイヤホンを付けてるんだけれど、髪の毛に隠れて二人とも見えない。

 いきなり敵に出くわしたとき、ちょっとだけアドバンテージ。

 少なくても。帝国側はこの手のガジェットの存在は知っている、と考えておかないと危険だ。


「階段の扉がこれか。不思議だったのだが何故しまっておる?」

「停電……、ん-と、エレベーターが動かないとき以外、使わないから?」


 そのエレベーターも、裕利君が顔認証をスルー出来るようにしちゃったけど。本当は登録した人と、受付でカードをもらった人しか使えない。

 セキュリティの関係上むしろ使われちゃ困る、ということだってあるはずだ。

 階段だって避難用だからカギはかけらないんだけど、扉が開くと警備室でアラームが鳴る。

 

 

「よし、我らの半径2mでは音がしなくなったが、それはそれとして」


 鉄の扉の前、魔導を展開し終えたフレぴょんがふり返る。


「……コレをのぼるのか」

「……そう、なるね」

「上の階の扉があそこか。それが四階分ともなると。……もはや中央大神殿の法王執務室どころか、物見台まで上がるよりも高いのでは無いか?」



 誰も居ないのはカメラで見えてる、とは言えエレベーターが動けば表示も変わるし音もする。

 ということで。


 【非常階段・常時閉鎖】と書かれた鉄のドアをあけると、飾り気のない鉄の階段がj上下に続いている。

 四階分だと言うなら学校だってそうなんだけど、このビルはそもそも建物の作りが違う。


 各階、やたらに天井が高いのだ。

 つまり階と階の間もすごく長い。たぶん学校の階段と比較したら八階とか十階分くらいのぼらないといけないんじゃないかな。

 四階建てだからみんなガマンしてるのに……。 


「うーむ。これはさすがに我ら二人だと、一番悪い組合わせのような気がするのぉ」

「お互い、体力って。……無いよね」


 他の人達は言うまでも無く。

 裕利君だって標準的男の子の体力は十分持ってるうえに、最近は地味に筋トレもしてる。


 一方の私は、多少からだが柔らかい程度で、基本引きこもりのネクラ女としての標準体力しかない。

 フレぴょんもインコンプリーツであることのボーナスステータスは全て魔導系。

 体力的部分には実はマイナスボーナスは無い、と裕利君から聞いたが。とはいえ、体力は見た目通りに文系女子中学生程度しかない。 


 ……階段を上りきった時点で二人共、使いものにならなくなっちゃうんじゃ無い?


「お互い非力な少女ではあるが、はっはは……。忘れておったよ、儂には魔導があったわ。―― 限定範囲リミテッドレンジ筋力ストレングス増強インクリード!」


 それってこないだ、神官を踏み潰した魔導だよね!?

 ……リニテッドレンジ、って。私も、その魔導の範囲に入った?


「リオ、これから我らは階段を昇る。三〇階の様子はどうか?」

『見える範囲では誰も居ないよ』

「あいわかった。……アリス、足のバランスは良いか? 行くぞ?」


 私も今なら、人間の頭蓋骨を踏み潰せるんだ……。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろうSNSシェアツール
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ