生粋の暗殺者
――ぴんこん♪
-【通知】 チェック内容が 樺藤亜里須 と共有されました-
ダークエルフの彼女をチェックしたのか……。
だから。そう言う余裕が何処にあるんだっての。
シャッター音、どうしたよ?
『パロアムティルネントエミイースプホゥル・ポロコネンス・サベイヤレルファ』
『インコンプリーツ(ダークエルフ族×夢魔族) 女 一七歳
所属 [法国]エルフ村の魔導弓士 → [法国]暗闇の娘』
『取得カテゴリ』
インコンプリーツ ☆S(固定)
狩人 ☆master!
弓術師 ★★★★★
暗殺者 ☆master!
魔道師(闇) ★★★★
『現在のカテゴリ』
暗闇の娘 ※魔道士+弓術士+狩人+暗殺者
マルチカテゴライザ(ユニークカテゴリ)
『取得したスキル』
○インコンプリーツ
??? 真実の目upper limit 物理防御弱体化upper limit
○狩人
隠遁術upper limit 迅速upper limit 超感覚(聴覚)4
○弓術士
連続射撃upper limit 精密射撃5 集中3
○暗殺者
爆速移動(短距離)upper limit 暗器術4 魔導防御弱体化4 一閃3
○魔道士(闇)
ダークホールブレイクupper limit 暗闇の吐息(単)5 闇の手(複)3
○暗闇の娘
魔導弓(闇)upper limit
黒の満月(迅速+必中+ダークホールブレイク)5
闇の一閃(隠遁術+集中+一閃)4
『現在のステータス』
身体:素早さ25%プラス(アイテム) 筋力20%プラス(アイテム)
精神:かなり疲労 体力:かなり疲労 特殊:枯渇
魔力:ほぼ枯渇・回復30min/+1(アイテム) 聖気:- 呪い:なし 』
『装備品リスト』
頭:黒曜石の髪留め
右手:帝国王宮近衛騎士のサーベル 魔導力増大の指輪
左手:波邪の強弓 筋力増大の腕輪
身体1:回復のシャツ【矢筒 破魔の聖矢 (10) ダガー
プッシュダガー 毒針 (3) 匕首】
身体2:革のベスト【手裏剣 (5) 火矢の矢尻 (3) 煙の矢尻 (2)
鏑矢の矢尻 (2)】
身体3:布のズボン【小刀 伸縮護衛棒 突風のタクト 目つぶし袋(3)】
足1:俊足のブーツ【カッター(右つま先) 薄刃刀(左すね) 毒針(左右)】
『アイテム』
水筒 燻製肉 野菜の携帯食(3) ナタ ナイフ 麻痺毒の瓶 即死毒の瓶
煙玉(12) 折り畳みナイフ 爆薬(強)(1) 爆薬(弱)(3)
この世界では人間の平均寿命は六〇才を少し切る。そこは亜人もほぼ変わりは無いが、エルフ族は約一五〇年の寿命を持つ。
三〇を過ぎるまでは子供扱いされ、村の外に出されることはほぼ無い。
見た目は二〇代で実は七〇歳、なんて言うのも普通なわけで。
だから、彼女のように見た目と中身の年齢が一致しているエルフにあうのは。
自発的に外に出てこないこともあって、実は珍しいのだが。今はその辺の話は横に置く。
見る限りすらっとした長身の女性。少し余裕のあるシャツにポケットの沢山付いたベスト、股の部分が太めのズボン、長いブーツ。少し大きめの背負い袋。
暗殺者と言うよりは魚釣りのおっさんみたいな服装ではあるけれど。
……なにこの人。武器庫がそのまま歩いてる様なもんだよ、これ!
見えてるのは弓とサーベルだけ。だけど実際は全身隠し武器だらけだ。
異様なまでの弓の正確さは特殊スキル、真実の目。
単純にいえば目が良い上に、月や星に関係なく夜目も利く。
それに連続射撃や精密射撃もレベルがやたらに高い。
文字通りの矢継ぎ早に撃ったとしてもほぼ当たる、と言うことだ。
更に暗殺者は魔道士と並んでレベルが上がりづらい職業の一つ。
それがマスタークラスと言う事は、基礎的な戦闘力が既にかなり高い。
軍隊的に戦うとなれば話は別だが、単独ならば弓が無くても、仮に素手だとしても。勝てるヤツが居るとすれば、それこそニケくらいのモノだ。
マイナスボーナスで物理も魔法も、防御がかなり非道い事になってるが。
そこは暗殺者で狩人。弓での長距離攻撃から不意を突いてのヒットアンドアウェイが基本だろうし、当然受けずにかわすんだろうから、問題は無いんだろう。
【アテネーさん、完全に暗殺に特化してる感じではあるけれど。でも、あれだけ強いのに、どうして村を堕とされたのかしら】
【……こないだの村とか言ってたわけだし、だったら、来たのはさっきの連中だったわけでしょう? 後れを取る、なんていうのはどうあっても考え辛いのだけれども】
ニケと同じく、戦いたい! と言っても無視されて。
村の攻防戦には出して貰えず、村が墜ちるときには本人の意思は無視され、逃がされたのだろう。
恐らく。お前が生きていてくれさえすればそれで良い。……そう言われて。
耳が目立たないのも、純粋なエルフでは無いから。か。
「種族の欄をみろ、亜里須。何があったか、だいたい想像は付くだろ? 彼女もインコンプリーツだ……」
スチャ。音がしたと思った次の瞬間には、既にアテネーが背後に立っていた。
――俺の首にサーベルを突きつけて。
「貴様らは何者だ。……何故、それを」
そして亜里須より少し小さいと思われる胸も。背中に押しつけられる結果になっているが、これはちょっと。感触を楽しめる様な状況とは言いがたく。
冷や汗が、その背中を伝うのがわかる。
「なるほど、聞こえたのか。良い耳してるぜ。……目だけじゃないのかよ、さすが狩人」
……ひそひそ話のつもりだったけど彼女には聞こえたんだな。インコンプリーツ、と言う単語が。
「人族を媒介としないインコンプリーツはとても珍しい。……今ここで隠す必要性を感じないけどな。――少なくとも、俺はもう知っているわけだし」
ホントは俺、あんまり虚勢を張る様なそういうキャラじゃ無いんだよな。
首筋のサーベルが気になって仕方が無い。――単純に怖い。
「アテネーさん、待って下さいっ! その人達はリオさんの、じゃない。中央大神殿の、法王様のお客さんです! わざわざ異世界から来てくれたんです!」
――ちっ。舌打ちと共に剣が下がり、身体も若干離れる。
「異界の戦士、さっきの口上は与太話では無かったというのか……!」
亜里須が隣で真っ赤になって俯く。
さっき亜里須が 変身パフォーマンス やったときは居なかったろ! どんだけ聞こえるんだよ……。 耳か! とがってる分なのか!
それはともかく。
「リオ。暗くなる前に表をちょっと、片付けようぜ。――アテネー、で良いんだよな? お前も手伝ってくれんだろ?」
「な、……お、お前達は、一体」
「魔法少女マジカル☆アリス、そしてその友人の巻き込まれ役、ユーリだ。そういうことで以後、よろしく」
「…………う、ぅ。もう、ヤメて」
マジカル☆アリスは両手で顔を覆うと、しゃがみ込んだ。





